〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
659号「雛めぐり〜鬼瓦〜ガラス乾板」という話
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     寒い日が続いていますが、瀬戸の街は今日からちょっとだけ春になっています。
     恒例の「第18回 陶のまち瀬戸のお雛めぐり」が今日からスタート(2月2日 〜 3月3日)しました。毎年の行事ですが、瀬戸中が雛で飾られる1カ月。春が近づくのが感じられるイベントです。
     雛めぐりの中心になる瀬戸蔵にはシンボルともなる「ひなミッド」が飾られています。高さ4メートルでの4面のピラミッド型巨大ひな壇・ひなミッドには1000点もの陶磁器・ガラスの創作雛が飾られています。今朝、見てきたのですがすでに多くのお客さんが写真に撮ったり眺めたりとひなミッドを囲んでいました。
     期間中は市内で様々なイベントや展示が行われていますし、飲食店では雛めぐり特別メニューも用意されています。一足先に春を感じられるイベントです。

     

     瀬戸蔵ミュージアムで行われているで企画展「建物のキオク −瓦・タイル・テラコッタ−」が行われています……と言っても、明日2月3日までが期間です。いつもこんな紹介パターンですいません。
     瀬戸は陶磁器の産地、様々な器が生産されていますが、瓦やタイルなども作られていました。建物を飾る様々なパーツもせとものが使われています。市内でもそれらは見られます。今も深川神社の屋根は美しい織部の細やかな細工のされたものですし、赤津の雲興寺の本堂の大屋根は釉薬の施されたモザイクのような美しいものです。今回の展示では、今は失われた建物のパーツが展示されています。鬼瓦などは(特に磁器製の瑠璃釉鳳凰鬼瓦などは)それ自体が美術品として通用するほどの美しさです。
     普段は(もしそれを見つけても)建物の一部としてなんとなく見逃してしまいがちなんものですが、こうして展示されると「これも瀬戸の美術工芸品」と再発見できます。(明日までの展示というのが…すいません)。

     同じ瀬戸蔵ミュージアム内で別の展示「ガラス乾板で写された昔の瀬戸の風景」も行われています。こちらの会期は4月21日までですので十分時間はあります!
     大正から昭和初期に撮影されたものになります。当時の瀬戸の街、建物はもちろん、人々の生活や陶磁器作りの現場など興味深い画像がいっぱいです。働く人の息遣いや当時の空気まで感じられるようです。作品の一点一点のコメントもわかりやすいし、手前に置かれた関連資料(個人的には磁器製の当時の現像タンクなども見入ってしまいました)も展示に深みを与えています。
     「建物のキオク」の展示を楽しみに見に行ったのですが、この写真展は思わぬ拾い物でした。瀬戸を知っている人は懐かしさが、知らない人でも当時の瀬戸の賑わいや職人仕事のことが伝わると思います。第1回目のせともの祭の様子など貴重な資料もありますよ。
     ぜひ、このまま写真集とかにまとめてくれないかなあ、簡単なものでもいいから。それだけの価値ある写真です。
     

    | 瀬戸のイベント | 14:13 | comments(0) | - |
    658号「インフルエンサーになれるか」という話
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       今週末は冷え込むという予報です。皆さんお元気ですか?感想も続き、インフルエンザもかなり猛威を振るっています。もちろん、瀬戸も例外ではありません。

       でも、今回の話題はインフルエンザじゃなくて「インフルエンサー」の話です。先週、「エンターテインメントでまちを元気に! 〜あなたもインフルエンサーになれる〜」という講座を聞きに行ってきました。これは瀬戸市が開催している「せとまちサポーター養成講座」の4回目として開かれたものです。


       インフルエンサーというのはSNS上で様々な情報を流し、人々に大きな影響を与える人のことです。SNS上で強力な影響力を持っているということですが、特に有名なタレントじゃなくてもインフルエンサーとして活躍する人は少なくないようです。
       インフルエンサーによる町おこし、情報発信の実例をたくさん挙げての講座はなかなか興味深いものでした。

       瀬戸市が「せとまちブランディング」という活動を始めたのはこの1〜2年ほどでしょうか。その中で一般の市民が瀬戸の魅力をSNSを通して発信していこう、というのがこの「せとまちサポーター」の活動になります。まあ、SNSですのでそれぞれが勝手に発信すればいいようなものですが、瀬戸市が養成講座としてそのノウハウを得る機会を作り、またハッシュタグなど統一して効率よく発信をしていこうという仕組みになっています。


       せとまちサポーターになるにはその講座に参加し、登録することが必要です。今回、自分も講座に参加、登録することができました。登録すると陶製の六角のプレート(瀬戸市のロゴが型押しされている)をいただけます(他にもいろいろお土産はありましたよ)。これを見せることにより瀬戸市美術館と瀬戸蔵ミュージアムへは無料で入場できるという素敵な特典がついています(個人的にはこれが魅力で今回参加したようなところもあります)。

       

      ■せとまちブランディング
      http://setomachibr.xsrv.jp/interview/

       

       インスタグラムはやってるものの放置状態だったのですが、これからはせとまちサポーターとして瀬戸の魅力をどんどん発信していこうと思います。せとまちサポーターはツイッター、インスタグラム、フェイスブックなど様々なSNSが対象になりますが、ハッシュタグ「#せとジェニック」「#いいもんせともん」をつけての投稿になります。様々な人が様々な視点で瀬戸の魅力をアップしていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
       

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      656号「テーブルウェアフェスティバル」という話
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         寒い日が続いています。雨も降らず、乾燥した日々が続いています。ということで、瀬戸でもインフルエンザが猛威を振るっています。くれぐれもお気をつけてお過ごしください。

         

         昨年暮れに組合を通じてFAXが届きました。内容は近隣の産地メーカーの組合からの値上げのお願いでした。陶磁器の価格は様々な要因で決まります。土や釉薬などの原材料の価格、窯を焼くための燃料の価格、すべてに関係する輸送費、そして人件費などでしょうか。
         ここ数年は特に土の問題が話題になります。土資源の枯渇が話題になってきています。土の質が買うたびに変わるというのは以前から窯元で時々聞いています。新規の(粘土の)鉱山の開発というのは難しい時代になってきています。瀬戸市内ではまだ粘土の採掘は行われています。それは瀬戸だけでなく周辺産地でも使用されています。いかに粘土の資源を大切に使っていくかということが大きな課題になっています。
         今回の値上げの件も原料の「これから」ということと別問題ではないと思います。瀬戸の粘土も必ずしも無尽蔵というわけではありません。また、輸送費の値上がりもここ数年問題になっています。今年は多少、皆様の手に届く陶磁器の価格が上がるかもしれません。よりしっかり見て、納得して選ぶことがより大切になってきますね。

         

         しっかり見て選ぶということで、大規模な陶磁器イベントの話題。


         首都圏の皆さま、来月は東京ドームで恒例の「テーブルウェアフェスティバル2019」が開催されます(2月3日〜11日)。

         

        ■テーブルウェアフェスティバル2019
        https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/

         

         これは全国の陶磁器産地が参加する最も大きなイベントです。もちろん瀬戸からも参加される業者のいますし、また卓越の技「瀬戸織部」〜瀬戸焼〜としてテーマ展示も行われます。(当店は出店はもちろん、まったくかかわることはないのですが)参加されている方の話を聞くと、とにかく人も多く盛り上がり方が違う、とのこと。


         様々な催しが企画されているので一日中楽しめる、器好きにはたまらないイベントとのようです。(入場料はかかりますが)お近くの方は出かけてみてはいかがでしょう。販売のコーナーもありますので、見て触れて、気に入った器を選ぶこともできますよ。

        | 雑感 | 21:33 | comments(0) | - |
        653号「門松代用紙届く」という話
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          門松代用紙

           


           クリスマス、年末に向けて冷え込みが厳しくなるようです。寒いです。
           今年も瀬戸市の広報誌に恒例の「門松代用紙」が折り込まれて届きました。「正月の飾り物作りなどで山の緑が損なわれないようにはじめた瀬戸市の伝統事業です」と広報に説明が添えられていますが、この「伝統」という意味は何なんでしょう?

           A4の紙を縦に二つにしたサイズ。賀正の文字の下、丸く赤い初日の大きく描かれ、その下には松竹梅、というめでたい絵柄です。これは自分たちの子どものころから変わっていません。どこまで時代をさかのぼれるかは不明ですがとにかくずっと昔から変わらないことは確かです。

           瀬戸の門松問題。これは歴史があります。
           江戸時代、世の中が安定してくると陶器の需要が高まり、それに応じるため瀬戸の窯業も飛躍的に伸びました。そのために必要な土と燃料の薪を確保するため、周辺の山々は一面のはげ山となってしまいました。結果、はげ山は山崩れや洪水などの災害を繰り返し起こすことになります。
           江戸期の早い段階から藩による山林保護は行われていました。その中で享保7年(1722年)には門松に真松の使用を禁止する「門松の制限」が命じられています。これは繰り返し出されていたようです。門松に使う松は若松であったり根付の苗のようなサイズのものが使われるので、せっかく根付き始めた松を根こそぎ採られてしまうことになります。
           この後、幕末から明治には再び管理が行き届かなくなりさらに山の荒廃が進むことになります。この山林の本格的な回復は明治半ば以降のホフマン工法による治山事業まで待つことになります。ホフマン工法は最低限の土の流出を防ぎ、あとは自然の回復に任せるという時間のかかるもの。その間も門松はもちろん様々な用途で木の伐採は制限され続けなければならなかったことは十分に想像できます。
           そのような状況を通して門松代用紙は生まれ、今も配布が続いているのでしょう。
           今は豊かな緑に囲まれる瀬戸ですが、その山々は徹底的な荒廃から再生されたものであることは忘れられがちです。特にその原因が陶磁器生産にあったということは私たちのような陶磁器を生業にしている者たちは常に心にとめるべきと思います。
           現代ではガスや電気が主で燃料として薪を必要とすることはあまりありません。ただ、土を採るために山を崩していることは変わりありません。自然を壊しつつ陶磁器を作っていること、先人の努力によりここまで瀬戸の山林が回復したことを忘れず感謝する意味でも、ある種の戒めとしても門松代用紙を正月の玄関先に掲げる意味はあると思います。そして、他の人たちにも瀬戸の山の荒廃と回復の歴史を伝えていく役割をこの一枚の紙は持つように思います。

          (2年ほど前にもこの門松代用紙の話を「瀬戸だより」に書いていて、繰り返しになりますが、瀬戸の自然を考える意味でもあらためて書きました。)

          | 歴史 | 09:57 | comments(0) | - |
          649号「そば猪口アート展」という話
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            新世紀工芸館。ポスターは今回の大賞作品。

             

             

             ずいぶん冷え込むようななりました。瀬戸の岩屋堂のライトアップは先週末まででしたが、まだまだ瀬戸の山の紅葉は見頃のように感じます。いい季節です(寒いですが)。

             

             瀬戸市新世紀工芸館で開催中の「第7回そば猪口アート公募展」を見てきました(1月20日まで)。これは長野県安曇野市で行われた公募展の作品の巡回展になります。毎年この時期に瀬戸に巡回している展示です。

             

             そば猪口。ご存知の通り「そばを食べるときにつゆを入れる器」です。この手のひらに乗るような器というくくりの中で、ガラスや陶磁器や漆や金工などの素材で作られた作品の数々が並びます。実用というものを離れ、まさにアートという表現がぴったりです。
             ガラスのそば猪口のが並ぶ展示ケースは下から透過照明が当てられ、ガラスに施された文様や凹凸がより魅力的に見えます。作品一つ一つに添えられたカードには作家名やタイトルのほか、素材や技法が書かれています(例えば「陶 ろくろ」や「磁 鋳込み」など)。もちろんガラスの作品にもそれぞれ書かれていますが、(どのように作られたかが興味があるのですが)そこに書かれた技法について勉強不足で自分にはよくわからないのが残念です。

             

             今回の大賞は佐野圭亮さんの漆の作品になります。ポスターやチラシなどで事前に見てはいたのですが、実物を目の前にするとその独特なツヤや塗り分けられた漆の黒の深みに感動です。その他の作品にも漆の作品が多いのですが、その華奢で繊細さには目を見張ります。展示ケースの中の作品を許されるなら触れてみたい、手にとってゆっくり見たいと思わせたのは漆の器の数々です。

             

             普段は器といえば陶磁器を中心に見がちなんですが、この展示ではガラスや漆の器の魅力を存分に感じて帰ってきました(もちろん陶磁器の作品も多数あり、使用するという観点で見れば圧倒的に陶磁器なんですがね)。


             この展示はこのあと東京世田谷区(2月)、山形県白鷹町(3月)にも巡回する予定のようです。興味ある方はぜひ!


            ■ 「第7回そば猪口アート公募展」瀬戸市新世紀工芸館
            http://www.seto-cul.jp/information/index.php?s=1540342912


             

            | 展示感想 | 11:07 | comments(0) | - |
            648号「瀬戸の秋」という話
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              これは赤津の雲興寺さんの参道。

               

               

               宝泉寺のお薬師様も過ぎて、山々の紅葉が一気に見ごろを迎えたようです。


               先週末から今週末は(18日まで)市内の紅葉の名所、岩屋堂でライトアップが行われています。第12回ということで、秋の恒例行事ですね。
               この時期、周辺の道が混みあうのも恒例ですね。夕方からはかなりの混雑となるようです。尾張瀬戸駅からの臨時バス(400円)や車なら名古屋学院大学の臨時駐車場(無料シャトルバスあり)の利用が便利なようです。
              あと、夜のライトアップは冷え込みます。暖かな服装で出かけた方がいいようです。

               

              ■ライトアップ岩屋堂
              http://www.seto-marutto.info/_data/news/1509344569.pdf

               

               岩屋堂のライトアップは今週末までですが、紅葉は見ごろが続きます。山歩きにもいい季節です。まだまだ瀬戸の山々は素敵な季節が続きます。

               


               瀬戸では昔から秋葉信仰が盛んです。お寺や神社でもお祀りされています。街角の小さな祠でも中をのぞくと、秋葉神社の御札が納めてあったりします。寒さが増し、火を使うことも増えてくるこの時期は秋葉神社のお祭りも行われる時期でもあります。
               秋葉大権現、秋葉神社といえば火伏のご利益があります。窯の火を扱う瀬戸の町、火事を防いだり、火を自在に扱えるようにという願いがあったのでしょう。

               

               18日日曜日、瀬戸市の慶昌院で「火まつり」が行われます。
               様々な場所で秋葉信仰のお祭りが行われる瀬戸ですが、中でも一番大きなものがこの慶昌院の火まつりじゃないでしょうか。最近は境内でマルシェがひらかれていて、それも楽しみになっています。そして何より日も傾く夕方5時からは火渡り神事が行われます。これは一般の方も参加できるようです。

               

              ■慶昌院
              http://www.keishoin.or.jp/

               

               我が家も毎年、御札をいただきます。当店の小さな電気窯の近くに置いています。火まつりに行くといろいろな作家さんに会うことも多いので、やっぱり窯の火と秋葉さんの関係は深いようです。
               

              | 瀬戸のこと | 11:05 | comments(0) | - |
              647号「干支と御題茶碗」という話
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                御題茶碗「光」。これは安藤敏彦さんの作。

                 

                 今週の土日は「第19回せと・まるっとミュージアム大回遊 ゆるり秋の窯めぐり」が行われます。こちらは赤津、品野、水野などの窯元を実際に訪ねることができるというもの。昨日会場周辺を通りましたが、準備が進んでいました。
                 天気も良好。山の木々の紅葉も始まっているようです。

                 

                ■「第19回せと・まるっとミュージアム大回遊 ゆるり秋の窯めぐり」
                http://www.seto-marutto.info/event/kamameguri/

                 

                 先週、話題にした宝泉寺のお薬師様。当日はずいぶん暖かな日になりました。なかなか寒くはなりませんが11月になってからお客様からの干支置物、御題茶碗のお問い合わせも多くなっています。

                 

                 干支置物。来春の干支は「亥」(イノシシ)です。


                 中国では亥年はブタのことだと聞きます。金運の象徴だとか。干支が日本に伝来した頃はブタは日本人に馴染みがなく、身近にいてブタに近いイノシシで置き換えたという話です。


                 瀬戸に住んでいると、最近はずいぶん身近な存在になっていますね、イノシシ。畑が荒らされるとかの被害はもともとは山に近い場所に限られていましたが、今はもうこんな町中で!というところでも遭遇することも。実際に市内の中心の山林にもイノシシの荒らした痕跡があったり、道を横切る姿を見た(車とぶつかった)ということも聞きます。
                 年賀状のデザインを見ているとかわいいウリ坊だったり愛らしい姿のイノシシが描かれています。干支の置物でもそういったものがあります。当店が扱っている作家さん手作りの干支置物を見ているとかわいいと言うより迫力のある顔付きのイノシシが多いように思います。もっとわかりやすく言うなら「悪そうな顔」のイノシシです。作家さんの陶房や住まいが比較的山に近い場所にあることが多く、普段から野生のイノシシの被害にあったり出くわすこともあるんでしょう。野性味あるイノシシ置物が出来上がってきています。

                 

                 御題茶碗は毎年この頃になると話題に上げているのですが、「新春の宮中行事である歌会始の題(御題)をテーマに製作される抹茶茶碗」になります。来春のお題は「光」となっています。最近よく聞く言い方ですが「平成最期の歌会始の御題」になります。
                 「光」はテーマとしてはデザインしやすいように思いますが、戦後の御題としては3回目の登場、さらには平成22年という比較的最近にも御題となっています。その点は難しいように思います。
                 「光、もしくは光を含む単語」というイメージになりますが、「月光」などが人気になっているようです。ホタルなどは季節感的に正月にあいませんので、新春の茶碗という制約もありますね。

                 

                 干支置物、御題茶碗、興味があるという方はお気軽にお問い合わせください。

                | せともの | 10:41 | comments(0) | - |
                645号「ゆるキャラトレカ」という話
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                   今週は組合(瀬戸陶磁器卸協同組合)でせともの祭の反省会がありました。概ね、問題なく2日間のお祭りが無事終わったことが報告され、次回に向けての改善点などが意見交換されました。天気には恵まれず、その分来場者も少なかったようです。
                   来年のせともの祭はカレンダーの巡りから、最も遅いパターンの第2土日になります。暑さからは多少逃げられるでしょうか?

                   

                   せともの祭でも活躍、その後に続く様々な瀬戸のイベントの人気者……といえば?瀬戸のゆるキャラ「せとちゃん」ですね。

                   ゆるキャラトレカ(トレーディングカード)というものがあるんですね。以前、全国のマンホールの蓋のデザインをカードにした「マンホールカード」について書いたことがあったと思います。それのゆるキャラ版ということです。全国のゆるキャラをデザインしたカード。各地を訪ねたり、ゆるキャラのイベントなどに参加してコレクションを増やしていく…ゆるキャラファンにはたまらないカードじゃないでしょうか。


                   瀬戸市でも先日からせとちゃんのゆるキャラトレカの配布が始まりました。表はせとちゃんが窯垣の前で手を振っていますね(キラキラのホログラム仕様だ!)。裏にはせとちゃんのプロフィールと瀬戸のPRが記載されています。
                   配布場所はマンホールカードと同じ尾張瀬戸駅前のパルティせと1階の観光案内所(他)となっているようです。配布は一人1枚厳守です。

                   もうすでにたくさんのゆるキャラトレカが発行されています。旅行先などで集めたり、イベントでいただいたり集めるのも楽しそうです。

                   

                  ■ゆるキャラトレカ第3期デザイン公開!(ゆるキャラグランプリ) 
                  http://www.yurugp.jp/news/?id=1002


                   ※お知らせ
                   瀬戸焼振興協会が発行するフリーペーパー「セトリエ style book #02」が発行されています。今回、当メールマガジン「瀬戸だより」と当店が紹介されています。他にも瀬戸焼とそれにまつわるもの・人など…ぜひご覧ください。

                   

                  ■セトリエ(瀬戸焼振興協会)
                  https://www.setoyakishinkokyokai.jp/setolier.html

                  | 瀬戸のこと | 21:57 | comments(0) | - |
                  644号「織部の処理を考える」という話
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                     さて、先週は瀬戸を代表する釉薬のひとつ「織部」の話を書きましたが、その続き。

                     

                     納期というものがあります。出来上がりを納める日ですね。どんな仕事にもあると思います。考えてみると小学校の夏休みの宿題は9月1日に提出ですよ〜、がそもそも宿題の納期なわけで、私たちは長い期間、納期という束縛の中で成長してきたことは間違いないようです。
                     この日までに仕上げて渡す……そのためには段取りがいるわけで、11月10日にお客様にお渡しするとなると、9日か余裕を持って8日までには包装・梱包して発送する…となると、11月はじめに窯元から受け取りたい、あー!それまでに木箱など用意しなきゃ……とか逆算します。窯元さん作家さんから「今度の窯、11月1日に窯出しできるように11月29日には火を入れるからね(ここも納期のための逆算)」と言われるとちょっとホッと出来ます。最近は不景気で窯を焼く回数が減っているので、タイミングが悪いとたいへんなことになります。

                     

                     ところがこれが織部の器だったりすると1日に窯出しされても実際完成して窯元から出荷されるのはその数日後になってしまいます。2〜3日のタイムラグ。織部は窯から出た後に処理が必要なためです。

                     織部は窯から出た直後は酸化皮膜が表面を覆い、油膜のようなギラギラした変なツヤがあります。それを取るために「酸」により処理をして落ち着かせるひと手間が必要です。瀬戸では伝統的にトチ渋を使うことが多いです。秋のどんぐりの季節に栃の実に付いている袴の部分(どんぐりのベレー帽みたいな部分ね)を集めて、水に漬け込み出来た真っ黒な液に器を沈めて膜を処理します。夏なら一晩、冬なら一昼夜(本当に寒い季節は温めることも)は沈めます。その後、水洗いして完全に乾くまで干す…で完成。時間がかかりますね。

                     この方法の良いのは貫入に渋が入り独特の風合いが出ることです。でも、その必要がない場合、渋が素地に入るのが嫌だ(汚れて見える)という場合は塩酸を薄めて処理に使うこともあります。この方が膜を取るという処理では時間がかかりません(もちろん水洗いと乾燥は必要です)。最近は塩酸の入手が難しくなっていますので(危険ですから)、クエン酸などで代用される方もいるようです(こちらは酸でも食品で使えるくらい安全で安価です)。

                     というわけで、織部の後処理は気温や天気でかかる時間も左右されるので、出来上がりは余裕を持って納期の計算が必要です。

                     伝統的な手法で織部を焼いている瀬戸の作家さん・窯元では工房のどこかにトチ渋の黒い液が入った桶があると思います。数をこなしているところでは古い風呂桶を置いていることもしばしばです。


                     来月(11月)10日・11日の土日は瀬戸の品野・赤津・水野の各地区で恒例の「ゆるり秋の窯めぐり」のイベントがあります。普段見られない工房などを気軽に訪ねられるイベントです。そんな時にこの渋の入った桶などもちょっと確認してみるのも面白いかもしれません。

                     

                    ■ゆるり秋の窯めぐり
                    http://www.seto-marutto.info/event/kamameguri/
                     
                     

                    | せともの | 21:54 | comments(0) | - |
                    644号「織部を考える」という話
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                      ある料理屋さんの織部の器。形の自由さがわかります。

                       

                       今年は例年より秋の到来が早い気がします。朝晩一枚余分に羽織るものが欲しくなります。そんな季節になると織部の器が気になりだします。

                       

                       グリーンの織部。茶事などでは冬の器としてのイメージが強いようです。まあ、季節に関係なく様々な用途で使われるのが織部釉の器ですが、冬にそれを手に取ってみたくなるのは冬枯れの山野を前に、夏の深い緑を懐かしむような感傷的な気分からでしょうか。

                       織部という名は戦国から江戸時代の極初期に活躍した戦国大名であり、天下の茶人だった古田織部に由来します。その後の茶道の世界だけでなく、日本の価値観や美意識に最も大きな影響を与えた人物と思います。
                       今は緑色の銅釉を織部と言いますが、もともとは織部好みの器をまとめて織部と呼んでいたようで、志野でも黄瀬戸でも「織部の器」だったわけです。その中でも(織部好みとして)最も印象的な緑釉は青織部と呼ばれていましたが、時代が下がるとその釉の呼び名が織部となっていったようです。古田織部自身の最期が家康により切腹を命じられた関係で資料なども処分され謎も多いのですが、近年になり織部自身が器の製造にも具体的指示を出していた資料も見つかっているようです。

                       

                       織部は色のみでなく、器の形自体も自由でユニークです。様々な形で歪みや切れまでもその魅力にしてしまう……実に不思議な器です。
                       織部釉一色の施釉のみでなく、白釉と掛分けられ、そこに描かれる文様も織部の魅力です。それまでの陶器のデザインで見られなかったような幾何学的な不思議な文様。
                       今週、織部茶碗のデザインを考える機会があり、織部の様々な画像や写真をあらためて見直したのですが、実に面白い。一体何からこのパターンを思いついたのか?

                       

                       今も瀬戸焼、美濃焼として代表的な釉薬で人気もある織部。織部の器の魅力というのは単に緑の色というだけでなく、形やデザインを含めて作り手の発想の自由さや考え方を試されるような器じゃないかと思います。古田織部の美意識を400年を経てなぞってみる、あるいは全く別の発想を試してみるなど、自由な器であることは間違いないように感じます(しかし、400年前の「織部の器」を見ても全く古さを感じないのは驚異です!)。

                      | せともの | 21:47 | comments(0) | - |
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