〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより584号「釜戸長石」という話
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     さあ、8月もあとわずかです。

     子どもたち!宿題は終わっていますか?

     

     9月に入れば、せともの祭から招き猫まつりとイベントが続く瀬戸です。

     尾張瀬戸駅前のパルティせとに今週はせともの祭を盛り上げる「せともの人形」が登場しました。お祭りに向けてこれからしばらく忙しくなりそうです。

     

     

     先日気になるニュースが。岐阜県瑞穂市釜戸町の中央自動車道で車4台が巻き込まれる土砂崩れがあったというものです。

     

    ■土砂崩れ4台巻き込む 瑞浪市、中央道11人重軽傷(岐阜新聞)

    http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170819/201708190709_30298.shtml

     

     釜戸という地名、陶芸・窯業に関係している方なら聞いたことがあるのではないでしょうか?一般の方には「釜戸長石」というのは聞いたことはないかもしれません(当たり前です)。

     釉薬の調合にはよく登場する原料です。私も陶芸の勉強をしている学生時代は調材実習で日々ゴリゴリと乳鉢で調合していました。

     

     瀬戸では釉薬は「草木の灰をベースにして調合する」というのは以前にも書いたと思います。様々な植物の種類によって特性が違い、そこに鉄や銅などの発色する成分を加えて…というのが、(まあ簡単に言っちゃえば)釉調合の流れなんです。が、ただ灰(ちゃんと水簸して生成したものですよ)だけでは溶けすぎて流れてしまって釉としては使えないのです。そこで釉の溶け具合、流れ具合を調整するのが「長石」役割となります。長石にもいろいろ種類があるのですが、中でも一般的なもののひとつが釜戸長石になります。

     

     今回の事故の原因は近くの原料工場にあった産業廃棄物だったようですが、釜戸で山が崩れて白っぽい土砂が…と聞くと最初は大量の長石が…とか想像してしまいました。まあ、実際に釜戸で長石が採掘されていたのはずいぶん昔のようで、もうすっかり今は掘り尽され枯渇してしまっているようです。現在釜戸長石として使われているものは、成分分析に基づいて他の原料を用いて調整されているものと思います。

     

     美濃焼産地の中心のこのあたりは地図で見るといろいろと陶器作りでお世話になっている土や原料の名前で馴染みの地名がいくつか見られるのは興味深いものがありますね。

    | 雑感 | 10:26 | comments(0) | - |
    瀬戸だより580号「瀬戸焼について完結に」という話
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       暑い日が続いています。7月ももう終わりですね。猛暑の8月になるか、台風とゲリラ豪雨の夏になるか…。

       

       

       瀬戸焼、瀬戸について学びたい、知りたいと思った時に参考にと聞かれた時にオススメの一冊が数年前にまとめられた「瀬戸焼ハンドブック」。一冊に歴史から技術から、文字通り瀬戸と瀬戸焼のすべてをまとめたと言ってもいい内容です。

       私も多少はかかわらせていただいた本です(まあ数回の編集会議に顔を出した程度ですが)。 

       陶祖800年祭に合わせて企画編集されたものですが、今でも瀬戸市文化センターなどで入手が出来ます。その後の瀬戸焼検定の参考書としても活用されています。

       

       最近、それよりも簡単にシンプルに瀬戸焼をシンプルに纏めたものを見つけました。瀬戸市内の駅や施設などに置かれている「瀬戸焼千年の歩み −その絶え間ない進歩−」というA4サイズにたたまれた8ページのパンフレットです。

       裏に瀬戸市美術館と記されているので瀬戸市美術館の編集となるもののようです。簡単に瀬戸の街の歴史、陶祖磁祖、瀬戸焼のできる工程や代表する釉薬などが写真を交えてうまくまとめてあります。

       表紙が出来上がりの陶芸作品の何かではなく、瀬戸の採土場の荒涼たる光景となっているのもとてもいい感じです。瀬戸の陶磁器づくりの原点がこの鉱山ですからね。

       

       「瀬戸焼千年の歩み」……同じタイトルの企画展が今年の4月・5月で瀬戸市美術館で開催されているので、その企画展に合わせて作られたものだと思います。ということならば、いつまでこれが入手できるかはわかりませんが、瀬戸の街角で(駅とか公共施設とかで)見つけたら手にとってみてください。なかなかここまで完結に瀬戸焼をまとめたものはないと思います。

      | 雑感 | 12:01 | comments(0) | - |
      瀬戸だより563号「桜の季節ですが…」という話
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         4月になりました。エイプリルフールですが、毎年気の利いたウソをと思っています。が、思っているだけで毎年2日を迎えます。才能というか、センスの無さを感じますね。

         

         「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」

        高校時代、古文の授業では必ずポイントになる一首ですが、春が近づくと毎年なるほどと思わせるものです。日本人にとって桜は切っても切れないもののようです。

         ということで、瀬戸の桜も気になる時期です。

         

         どこもそうなんでしょうが、今年はなかなか気温が上がりません。瀬戸も例年ならば3月下旬から咲き始めて今頃は見頃になっているところもあるんでしょうが、今年はまだまだつぼみのままですね。今朝も冷たい雨模様…。

         それでも先の歌ではないですが、待ちきれずに市役所前の瀬戸川岸などではシートを広げる人たちも先週あたりから見かけるようになりました。

         

         市内の桜の名所とされるところは、山や高台だったり、川沿いだったりと気温が低めの場所が多く、名古屋市内などと比べるとちょっと遅れて…という印象です。咲き始めの遅い今年の桜、学校の入学式(来週後半)頃はいい感じじゃないかと期待しています。遅く咲いた分、ゆっくり楽しめたらいいなあと思います。

         

         今年の瀬戸の桜はまだまだ咲いていません。これはウソじゃない、本当の話です。

        | 雑感 | 13:06 | comments(0) | - |
        瀬戸だより555号「話題になった件」という話
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           こういう仕事(陶芸に関わる仕事という意味)をしていると時々「テレビ見てて、本物偽物ってわかる?」「良いもの悪いものって、わかるものなの?」と聞かれることがあります。こういう質問をしてくるのはたいていはお客様ではなく学生時代からの友だちであったり、まあ気の置けない関係の間柄が多いのですが……。「専門の鑑定家じゃないとわからない物も多いけど、あまりにひどい偽物はテレビでもわかるんじゃないか」とか「良いものは雰囲気というか、わかると思うけど、それが数万円の良いものか数十万円の良いものは鑑定家の仕事」などとその場の話の流れで答えています。ものの良し悪し、真贋というのはやはり専門家の見立てというのが必要です。

           

           年末のあの番組で曜変天目茶碗が登場して話題になりました。

           曜変天目は日本に(他にはないのですが)伝来している3点すべてが国宝という陶芸の至宝というべき茶碗です。私は実物を見たことはないのですが、写真などでも見てもその独特なオーラのようなものが伝わってくる茶碗です。

           もともとは中国で焼かれたものですが、昔から現在に至るまでたくさんの陶芸家がその再現にチャレンジされています。

           

           今回の茶碗はなんとなく自分が曜変天目に持っていた印象とは違って見えるような気がしました。

           真贋についてはネットなどでもいろいろと意見が出ていますが、実物を手に専門家がつけたものなのでそれなりの根拠があってのことなのでしょうが、自分にはよくわかりません。ただ、本物であるなら、ちょっと安すぎるとは思います。

           ただ、このようなきっかけであっても、普段一般には話題に上がることがないであろう曜変天目が知られる機会になったのは悪いことではないような気がします。そして、その再現に人生を賭けている作家さんたちが多数いらっしゃることも一般に知られるきっかけになるのもいいんじゃないかと思います。

           

           しかし、骨董、陶芸の世界、実に奥深いものですね。そして面白いものです。

          | 雑感 | 13:34 | comments(0) | - |
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          このブログの内容は加藤兆之助商店の発行するメールマガジン「瀬戸だより」のバックナンバー(保存版)になります。 文章は発行当時の内容になっています。日付など内容にはご注意ください。記事の全文あるいは一部を無断で転載・複製は禁止します。 http://web-setomono.com
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