〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
656号「テーブルウェアフェスティバル」という話
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     寒い日が続いています。雨も降らず、乾燥した日々が続いています。ということで、瀬戸でもインフルエンザが猛威を振るっています。くれぐれもお気をつけてお過ごしください。

     

     昨年暮れに組合を通じてFAXが届きました。内容は近隣の産地メーカーの組合からの値上げのお願いでした。陶磁器の価格は様々な要因で決まります。土や釉薬などの原材料の価格、窯を焼くための燃料の価格、すべてに関係する輸送費、そして人件費などでしょうか。
     ここ数年は特に土の問題が話題になります。土資源の枯渇が話題になってきています。土の質が買うたびに変わるというのは以前から窯元で時々聞いています。新規の(粘土の)鉱山の開発というのは難しい時代になってきています。瀬戸市内ではまだ粘土の採掘は行われています。それは瀬戸だけでなく周辺産地でも使用されています。いかに粘土の資源を大切に使っていくかということが大きな課題になっています。
     今回の値上げの件も原料の「これから」ということと別問題ではないと思います。瀬戸の粘土も必ずしも無尽蔵というわけではありません。また、輸送費の値上がりもここ数年問題になっています。今年は多少、皆様の手に届く陶磁器の価格が上がるかもしれません。よりしっかり見て、納得して選ぶことがより大切になってきますね。

     

     しっかり見て選ぶということで、大規模な陶磁器イベントの話題。


     首都圏の皆さま、来月は東京ドームで恒例の「テーブルウェアフェスティバル2019」が開催されます(2月3日〜11日)。

     

    ■テーブルウェアフェスティバル2019
    https://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/

     

     これは全国の陶磁器産地が参加する最も大きなイベントです。もちろん瀬戸からも参加される業者のいますし、また卓越の技「瀬戸織部」〜瀬戸焼〜としてテーマ展示も行われます。(当店は出店はもちろん、まったくかかわることはないのですが)参加されている方の話を聞くと、とにかく人も多く盛り上がり方が違う、とのこと。


     様々な催しが企画されているので一日中楽しめる、器好きにはたまらないイベントとのようです。(入場料はかかりますが)お近くの方は出かけてみてはいかがでしょう。販売のコーナーもありますので、見て触れて、気に入った器を選ぶこともできますよ。

    | 雑感 | 21:33 | comments(0) | - |
    瀬戸だより635号「いいもん せともん」という話
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       お盆休み。我が家は恒例の富士方面に。ゆっくり、のんびりしてきました。猛暑もピークを過ぎたのか、かなり過ごしやすい日が続いています。せともの祭までにもう少し涼しくなっているといいんですが。

       

       最近、瀬戸の街を歩いていると街灯などに「いいもん せともん」と書かれた、ロゴマーク入りの紺色のバナーをよく目にします。ロゴマークには「陶都 瀬戸 千年」の文字とそれを囲むように狛犬や椿、窯垣、登り窯など瀬戸の歴史と自然のシンボルたちが描かれています。日本遺産のバナーと並べられていることも多いです。

       市内でシティプロモーションやブランディングという言葉もよく耳にすることが増えていますが、このロゴも瀬戸とその魅力を広げていくために企画されたものです。

       なかなかあか抜けたいいデザインと思います。

       

      ■せとまちブランディング

      http://setomachibr.xsrv.jp/interview/

       

       今までは瀬戸からの情報発信というのは、個々の場所(人々)がそれぞれに行ってきた感じですが、それをまとめることが始まったというような印象です。

       このブランディングではキーワードとして「ツクリテ ツカイテ ツナギテ」というフレーズが繰り返し出てきます。今まで行政が瀬戸を発信するというと、作家さんや窯元さんなどの作り手のみにスポットライトが当てられる場合が多いように感じていました。モノだけでなく街の歴史や魅力を伝えていこうという目的ではもっと幅広く様々な分野の人たちにも発信者として今回は期待しているようです。

       瀬戸(とそこで産み出される瀬戸焼・せともの)の魅力を全国に伝えていく……長い歴史の中でその大きな役割を果たしてきたのは私たちのような産地問屋だったのではないかと思います。今回のブランディングの中ではツクリテでありツナギテに当たるのでしょうか。

       

       せともの祭の廉売市会場の駅周辺や瀬戸川沿いでもこのロゴは多く掲げられています。このステキなロゴは使用規定を満たした上で瀬戸市シティプロモーション課に申請すれば使用できるようです。

       

      | 雑感 | 16:19 | comments(0) | - |
      瀬戸だより626号「陶生病院の壁画・ふたたび」という話
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        もう見られませんね

         

         陶生病院といえば、瀬戸市にある公立の病院です。瀬戸市のほか周辺の市が共同で設置している地域の医療の中心といえる施設です。この病院が今年5月に新しい病棟が完成しました。今まであった施設設備は新しい病棟に移り、古い病棟は取り壊しとなるようです。

         新しい施設になってから(なぜか)行く機会が増えて、その最新の設備に驚くとともに、地域の医療の充実ぶりに頼もしさに感動したりしています(ただ、今は古い病棟や駐車場のルートが複雑で病院の中で道に迷うのもしばしば…)。

         以前からですが、この病院内のあちこちに地元の陶芸家の作品や画家の絵画が通路や待合に展示されていて、待ち時間に楽しむことができました。それらは新しい病棟でも変わらず楽しめるようです。

         

         この「瀬戸だより」でも、建物の取り壊しのたびに話題にしてきたのが「陶壁」です。瀬戸の公共の建物には(最近は少なくなりましたが)地元の陶芸作家による陶壁が設置されていました。その時代を代表する作家によって建物の入り口やホール部分が彩られています。建物が老朽化し、役割を終えた時にその陶壁はどういう運命をたどるのか……。

         旧・市民会館の北川民次原画の壁画は瀬戸蔵横に移設されました。旧・サンパレア瀬戸の加藤唐九郎作の大きな陶壁はそのまま建物とともに閉鎖されています。旧・市役所の入口にあった鈴木青々作の陶壁は一部のみを切り出して保存……瀬戸だよりがスタートして10数年の間でもいろいろな建物の閉鎖がありました。基本的に陶壁はその建物の壁に合わせて制作されるもので、「建物の一部」として建物とともに終わりを迎えるというのが(作家さんも含めて)共通の認識となっているようです。

         というものの、その建物の建てられた時に活躍されていた瀬戸を代表する作家の力作……残念という部分はありますね。

         

         陶生病院の旧病棟の受付ホールにも陶壁はありました。昭和の一時代、瀬戸を代表する作家、加藤舜陶氏と加藤氏作の大きな陶壁が東西に向かい合うようにありました。今はもう古い病棟のこの部分には入れなくなっています(そっとのぞけるていどかな)。もう、片付けられた古い備品で埋め尽くされていました。

         陶壁が建物とともに作られ、その終わりを同じくするのは仕方ないと理解できます。でもそうなるなら、取り壊しの前にきちんとした記録(画像など)は残すべきではないかと。そういうことがされているのかはわかりませんが(たぶん設置の時の工事記録はあるんでしょうけど)、もう一度ゆっくり見ておきたかったという気持ちはあります。(下記は以前の瀬戸だよりで取り上げた陶生病院の壁画)

         

        ■133号 「陶生病院の壁画」という話 (2008/12/20発行)

        http://web-setomono.com/tayori/tayori133.html

        | 雑感 | 16:43 | comments(0) | - |
        瀬戸だより584号「釜戸長石」という話
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           さあ、8月もあとわずかです。

           子どもたち!宿題は終わっていますか?

           

           9月に入れば、せともの祭から招き猫まつりとイベントが続く瀬戸です。

           尾張瀬戸駅前のパルティせとに今週はせともの祭を盛り上げる「せともの人形」が登場しました。お祭りに向けてこれからしばらく忙しくなりそうです。

           

           

           先日気になるニュースが。岐阜県瑞穂市釜戸町の中央自動車道で車4台が巻き込まれる土砂崩れがあったというものです。

           

          ■土砂崩れ4台巻き込む 瑞浪市、中央道11人重軽傷(岐阜新聞)

          http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170819/201708190709_30298.shtml

           

           釜戸という地名、陶芸・窯業に関係している方なら聞いたことがあるのではないでしょうか?一般の方には「釜戸長石」というのは聞いたことはないかもしれません(当たり前です)。

           釉薬の調合にはよく登場する原料です。私も陶芸の勉強をしている学生時代は調材実習で日々ゴリゴリと乳鉢で調合していました。

           

           瀬戸では釉薬は「草木の灰をベースにして調合する」というのは以前にも書いたと思います。様々な植物の種類によって特性が違い、そこに鉄や銅などの発色する成分を加えて…というのが、(まあ簡単に言っちゃえば)釉調合の流れなんです。が、ただ灰(ちゃんと水簸して生成したものですよ)だけでは溶けすぎて流れてしまって釉としては使えないのです。そこで釉の溶け具合、流れ具合を調整するのが「長石」役割となります。長石にもいろいろ種類があるのですが、中でも一般的なもののひとつが釜戸長石になります。

           

           今回の事故の原因は近くの原料工場にあった産業廃棄物だったようですが、釜戸で山が崩れて白っぽい土砂が…と聞くと最初は大量の長石が…とか想像してしまいました。まあ、実際に釜戸で長石が採掘されていたのはずいぶん昔のようで、もうすっかり今は掘り尽され枯渇してしまっているようです。現在釜戸長石として使われているものは、成分分析に基づいて他の原料を用いて調整されているものと思います。

           

           美濃焼産地の中心のこのあたりは地図で見るといろいろと陶器作りでお世話になっている土や原料の名前で馴染みの地名がいくつか見られるのは興味深いものがありますね。

          | 雑感 | 10:26 | comments(0) | - |
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          このブログの内容は加藤兆之助商店の発行するメールマガジン「瀬戸だより」のバックナンバー(保存版)になります。 文章は発行当時の内容になっています。日付など内容にはご注意ください。記事の全文あるいは一部を無断で転載・複製は禁止します。 http://web-setomono.com
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