〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより713号「窯起こし」という話
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     毎週土曜日にこのメールマガジンを配信しているわけですが、週末は仕事も休みだしいつもよりゆっくり起きてのんびりと…という方も多いのではないでしょうか。忙しく働いた週末、どうお過ごしですか?

     

      「窯出し」という言葉を最近目にすることが多いようです。窯出しプリンだったり窯出しチーズケーキだったりとスイーツの商品名になっていたりします。焼きたてというのは新鮮出来立てでおいしいイメージになるようです。

     陶器の世界では「窯出し」と言えば、窯から焼成された製品を取り出す作業になります。今までの仕事の完成を迎える瞬間です。たぶんどんなベテランの作家さん窯元さんでも、多かれ少なかれ緊張する瞬間と思います。結局は窯を開けるまではわからないというのが陶芸の難しさというわけです。

     

     窯出しのことを「窯起こし」と言ったりします。瀬戸では普通に「週末に火が入るから、月曜に(窯は)起こせるよ」というような会話がされます。他の産地では窯起こしとか言うのでしょうか?

     

     考えてみると「窯起こし」という言い方、実にユニークです。

     昔は薪を燃料に昼夜を問わず窯を焼き続けて数日、窯は焼成温度に達します。その後冷めて中の製品を取り出せるようになるまでさらに日数がかかります。製品を焼き上げた窯はその間は仕事を終えて眠っているような状態。窯の入口を開けて中の製品を取り出すというのは、まさに眠っていた窯を「起こす」ようなことじゃないのかと。「そろそろ次の仕事、起きなさいよ」と。

     瀬戸の人は1000年以上、この窯を起こすという緊張と喜びの瞬間を繰り返してきました。今は燃料がガスなどに替わり、窯の規模も小さくなり、焼成の時間も焼成後の窯起こしまでの休憩も短くなりました。というものの、最近廃業とかで眠り続ける窯も増えているのはさみしい限りです。

     

    | 雑感 | 15:03 | comments(0) | - |









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