〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより695号「器選び」という話
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     台風、今まさに接近中です(現在12日正午)。徐々に風も吹き始めていますが、まだ今は静かな瀬戸です。

     大きな被害が出る可能性も高いと、警戒するニュースが流され続けています。全国各地に大きな被害が出ないことを、心よりお祈りしています。

     

     何度かこの「瀬戸だより」でも書いているのですが、日本は器を手に持って食事をする食文化を持っています。コップやカップを別にすれば、他国の食文化にはあまりない特徴です。同じ箸の文化圏である韓国は箸とスプーンを使うのが基本です。金属製の器もあり、手に持つには向きません。

     日本での(日本食での)器選びというのは器の大きさやデザインだけでなく、持ち心地やバランスも重要になるのは間違いありません。器選びは見るだけでなく持ってみることも大切になります。

     樹脂製や金属製の器というのはキャンプであったり、例えば給食のような場面に置いて、軽いことが良い、また扱いが雑でも割れないことが優先という場合には仕方ないとしても……やっぱり普段からの食事は陶器の器にこだわらなきゃ、と思っていました(仕事柄ね)。持ち心地とバランスです。

     

     うちの母、87歳になりました。ここ数年はさすがに年老いてきたという印象です。認知機能も低下してきました。気が付くと食事の際に器を持たず、食べるようになってきました。食べにくそうに、器に顔を近づけ、俗に犬食いと言われるような姿勢に。時々は声をかけたり注意をしたりはしますが、直ることはありません。

     ところが、先日ちょっと体調を崩して母が入院したんです。その時に食事しているのを見たら、ちゃんと器を持って美味しそうに食事をしてるんです。気付きました、普段の器は母にとって重すぎたんだと。病院の器は樹脂製の軽いもの。バランスとか持ち心地とかでやっぱり陶器で、と思っていた自分には驚きでした。当たり前ですがその人に合った器というのがいいんですね。

     退院後は急ぎ買い揃えた軽い樹脂の器で日々母は食事と摂っています。もちろん器を持って(百均のものですが)。

     

     なかなか普段気付かないことを(そして当たり前のことを)知ることが出来た一件でした。やっぱり器選びは「使う本人の」持ち心地やバランスが大切です。

     

    | 選ぶ・使う | 13:41 | comments(0) | - |









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