〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより684号「比較して鑑賞する」という話
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     今年最初の台風が上陸しています。令和初の台風上陸ですね。各地の花火大会などイベントの中止や延期が朝からニュースになっています。この週末は十分に気をつけてお過ごしください。

     

     

     瀬戸市新世紀工芸館で「DESINE-The Respective Thought-」という企画展が開催中です。吉田守孝さん、田上知之介さんという2人のデザイナーの活動を展示しています。と言っても、共同でなにかの活動をされているというわけではなく、「歩んできた道のりも仕事へのアプローチも違っていますが(新工芸館解説)」ということです。

     吉田さんは石川県出身で、金沢美術工芸大学卒、柳工業デザイン研究会に入所、柳宗理に師事。退所後はヨシタ手工業デザイン室設立。家庭用品を中心にデザイン活動を展開されているデザイナー。

     田上さんは熊本県出身、愛知県立芸術大学陶磁専攻卒業。筑波大学大学院芸術先行プロダクトデザイン領域終了。以後、製陶会社でデザインに携わり、その後瀬戸に工房開設(〜2009年)など。現在は愛知県立芸術大学准教授。

     それぞれが別々の活動をされているのですが「『手で考える』ということをデザイン思考の主軸にしている(新工芸館解説)」点で共通しているとのことです。

     

     先日、ラジオ(地元のコミュニティFM)を聞いていたところ、この展示についての紹介がされていました。6月末に行われた作家によるキャラリートークが普段のギャラリートークの倍近く人が集まったような話を聞き、ちょっと興味が持ちました。確かにモノだけでなく話を聞いてみたくなる内容でした。

     

     

     

     それぞれの作品が区別されることなく展示室に並べられています。基本的にとてもシンプルで使いやすそうな作品が多く、その共通点のせいか(特に器が並ぶ2階の展示部分は)解説プレートで作家を見てはどちらの作品かを確認しながらの鑑賞でした。しかし、比べてみると田上さんのデザインは器という分野のデザインを比較するとより陶磁器デザインのベースに立たれているように感じます。吉田さんは下の展示室から続くプロダクトデザインに共通する流れを器にも感じます。違うのは当たり前なのですが、2人を比較することによりそれぞれの個性が際立って見えてきます。「DESINE-The Respective Thought-」というタイトル、日本語では「デザインーそれぞれの思考ー」とされていますが、まさにタイトル通りの意図が伝わってくる企画展です。

     

     デザインにおいてシンプルであることは強い力であり、ごまかしが効かない厳しいものであると思います。そのデザインが生まれる過程が展示から見えてきて見ごたえがありました。一つ一つが身近にある小さなものが多いので、手にとって触れてみたい衝動に駆られます。触らないようにという注意のプレートがそれを押し止めるのですが、触れたときにはもっと深い作家の意図が必ず見えてくるように思います。(いつも同じようなことを言っていますが)ああ、触りたい!!

     

     

     学生時代、資格課程で博物館学なるものを学んでいたのですが「資料は1つで見るより別なものと並べて比較することでより深く理解が出来る」と教えられたのを思い出しました。この新世紀工芸館はよく別々な作家を複数(たいていは2人)並べ比較する企画展が多いように感じます。そういう比較により作家性を明らかにしようという意図を感じ、見る際も違いとか共通する部分をより意識していつも見ています。

     

     「DESINE-The Respective Thought-」は9月23日まで瀬戸市新世紀工芸館で。入場は無料です。

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