〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより683号「せともの≒メイド・イン・瀬戸」という話
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     相変わらずの梅雨空です。今年の梅雨はよく降ります。曇りか雨かの日々です。そろそろ梅雨明けの話も聞こえてきそうですが、そうしたらまた暑い夏が……でも、そろそろお日様が恋しい季節ですね。

     今週予定されていた「せともの祭の準備作業」も天候不良で延期になりました。来週また会場を実測して、出店場所を確定する作業を行います。せともの祭は9月14日土曜と15日日曜(9月第二土日)……カレンダー上では最も遅いパターンのせともの祭日程です。つまりはあと2ヶ月を切りました!!さあ、本格的に準備を始めなければ!!

     

     「せともの」という言葉は文字通り「せとのもの」という意味ですが、一般的には陶器(焼き物)全体を示す言葉として使われています。このあたりの「せともの」という言葉のややこしさがあるようです。

     今のせともの祭の「せともの」も後者の焼き物全体を示す意の「せともの」となっています。瀬戸の業者や窯元などの出店が中心になっていますが、他産地からの出店も増えています。逆に美濃や他産地の同じような焼き物のお祭り・イベントにも瀬戸から出店される方も少なくありませんので、まあ相互乗り入れが行われているわけです。

     

     ここで問題になるのが、純粋に前者の意味、つまりは「せともの=メイド・イン・瀬戸」ととらえていらっしゃる方からすれば、せともの祭で瀬戸以外の産地のものが並べられているのは「???」となるのも理解できます。ややこしいです、実に。焼き物一般を表すせとものと瀬戸のものを表すせともの…両方正解なだけに、ややこしい。そのややこしさを解消するために瀬戸は地域ブランドとして「瀬戸焼」を使っています。これは間違うことなく「瀬戸焼=メイド・イン・瀬戸」となります。

     せっかく瀬戸のせともの祭に行くのだからメイド・イン・瀬戸のものを買いたいという方は廉売市で「これは瀬戸焼ですか?」と確認することもいいと思います。当店は廉売市で瀬戸以外のものも並べますが、瀬戸のものは分かりやすく区別できるようにはしようと思っております。

     

     現在の焼き物全体を「せともの」呼ぶのはどうしてか?というのは概ね瀬戸で作られて出荷された焼き物が質がよく全国的に産地名とともに広がったということと思われています。(ここからは私個人の「多分そういうことだろう」を多く含んだ話になります。違う点もあるかもです)

     

     鎌倉時代に瀬戸でそれまで日本では作られていなかった施釉陶器が作られ始めます。もちろんそれは中国の影響もあった(技術的に)と思います。日本国内でも中国から距離のある内陸の瀬戸の地に他の地域を超えて技術が伝わったというのはちょっと謎を感じます。加藤景正(藤四郎)の陶祖伝説では全国を巡った後に瀬戸の地で理想の土に出会ったという事になっています。

     ともかく当時は瀬戸が施釉陶器を産み出す最先端の技術を持つ産地だったことは間違いありません。そこから出荷される焼き物は珍重され他の今までの焼き物とは区別され「せともの」と呼ばれて行くようになります。たぶん、ここまでは「せともの=メイド・イン・瀬戸」のみのせとものです。

     すると次に何が起こるだろうか?せとものを手にした各地の有力者(この時代に大名とか殿さまとかいう呼び方が正しいかはわかりませんが)は「うちの国(土地)でもせとものを作りたい」となるでしょう。職人を瀬戸に修行に出す、瀬戸から職人をスカウトする、ということが行われたに違いありません。江戸時代に瀬戸から九州に磁器の製法を伝えた加藤民吉のように瀬戸から各地方に施釉

    陶器の技術は広まっていったのでしょう。「うちの国でもせとものが作れるようになった!!」「うちの村からもせとものを売り出していける!!」という段階になり。瀬戸という一点から出荷されていた「せともの」は多くの産地から「せともの」の名のもとに一気に広がったと考えます。「◯◯せともの」という地域の名前をつけたせとものの名称があったというのをなにかの折に読んだ記憶があ

    ります(出典がよくわからないのでごめんなさい)。ここにおいて瀬戸を離れて「せともの=一般的な焼き物全体」になったのではないかと想像します。古くから施釉陶器を焼いている産地というのは、瀬戸からの影響を受けている(直接か間接か、その大小は違えど)ことは間違いないように思いますがどうでしょう?

     

     瀬戸から始まった多彩な「せともの(焼き物)文化」の広がりと現在を楽しむのがせともの祭じゃないかと思います。そしてそこでメイド・イン・瀬戸である瀬戸焼の品物も手にとっていただければと思います(さらにそこがうちの店ならなお嬉しい!!)。

    ぜひ、今年の9月14日土曜と15日日曜のカレンダーに印を付けていただき、2ヶ月後廉売市会場でお会いできればと思います!!

    | せともの | 12:14 | comments(0) | - |









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