〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより681号「練り込み」という話
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     7月に入りました。梅雨というものの今年は本当によく降ります。

     

     「練り込み」という技法をご存知でしょうか?最近は注目されることも多く、目にする機会も増えているように感じます。

     器の表面に筆で文様を描くのではなく、土そのものに顔料を混ぜ込み発色させています。様々な顔料を土に混ぜ込むことで多彩な色合いを出し、それを組み合わせることで模様を作り出します。中国では唐の時代には始まっていますので技法自体はとても歴史のあるものです。わかりやすく説明するには「金太郎飴」に例えることが多いようです。金太郎飴のように着色された土を組み合わせ模様をつくり、棒状のそのパーツをたくさん合わせて塊りにしそれを板状に切り出し(たたら)、それを使い器を形成する……というのが(本当に簡単に説明すると)練り込みの技法です。

     最初は数色の色を混ぜ合わせマーブルの様な文様が始まりと思います。現代ではより細かな精密な文様、ポップな文様に進化しているようです。

     

     この練り込み技法、実に手間のかかる作業です。土に色を着ける…表面上に絵を描くわけではないので、表面に見えない部分にも顔料が必要です。通常よりはるかに多い量で顔料が必要になります。顔料の価格の高いものはそれ相当に費用も掛かります。土を組み合わせる…土と土の接着面が増えるということは、その部分の接着がきちんとされず隙間ができると(わずかでも)水漏れが起きます。模様が細かくなればなるほどそういうリスクも増えます。さらには土の組み合わせで文様を作る過程、器の形に成形する過程で、せっかくの繊細な文様が崩れやすい、また器自体の形もゆがみやすくなるので細心の注意が必要です。

     とにかく手間と技術が必要とされる技法です。それだけに価格も高くなりがちです。しかし、通常の(筆での絵付など表面的な装飾)とは違った独特な味わいがあります。製作過程が複雑な分、作家ごとの個性が出やすいのでその点も鑑賞する楽しみではないかと思いますよ。

    | 作る | 12:43 | comments(0) | - |









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