〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
<< 瀬戸だより727号「辻晉堂の陶彫」という話 | main | 瀬戸だより729号「残念なニュース」という話 >>
瀬戸だより728号「窯垣っぽく庭を」という話
0

     非常事態宣言が全国的に解除されましたが、早くも第2波の心配もされています。せっかくみんなで頑張って取り戻した日常(まだまだ完全ではないですが)、気を引き締めて守っていきたいところです。

     

     ステイホームの期間中、まったく手付かずで何年も放置されていた家の庭の徹底的な改造を行っていました。伸び過ぎた木、何か勝手に生えてきた木を整理して、必要ないものは思い切って伐採、根っこも掘り出すという作業を何日も行ってずいぶんすっきりしました(疲れました)。広い庭ではないのですが、それでも空いたスペースが幾分できました。そこで1坪ほどの家庭菜園など作ることにしました。レンガやブロックで区分けしようと思いましたが、たまたま古い窯で使っていた棚板やツクが手に入りましたので、ちょっと窯垣っぽい仕上げにしました。

     

     棚板というのは窯に製品を詰める時使う横板、ツクというのはその棚板を支える柱になります。現在も棚板、ツクは窯の現場で使っていますが、素材はより耐火性の優れたものになっており薄く軽量なものになっていますが、昔の(薪窯の時代)棚板は5センチはあるかという厚み、ツクも6〜7センチ(昔の2寸と言うことでしょう)の直系の円筒。窯の熱で繰り返し焼かれるものなので、このくらいの厚みがなければ耐えられないということでしょう。とにかく重いです。狭い窯の中でこれらで棚を作り、製品を窯詰めする作業を想像するとそれだけで腰が痛くなりそうです。窯の仕事が今以上に重労働であったことが偲ばれます。


     この棚板やツクやエンゴロ(製品を保護するケースの様な器)の不用になったものを垣根や塀などに再利用したものが瀬戸に多く残る「窯垣」です。板の直線やツクの丸を組み合わせて作られた窯垣の幾何学模様は瀬戸のシンボルともいえます。


     なかなか他の産地では見かけないものと聞きます。瀬戸は製品に使う陶土だけでなく、こうした窯道具に使う耐火性の優れた道具土も豊富に採れました。そのため棚板やツクも傷みすぎる前に交換でき、(形がしっかりしているので)窯垣の材料として再利用できたようです。


     窯垣の多く残る「窯垣の小径」は瀬戸の観光ポイントのひとつです。今はまだ外出を控える状況ですが、また自由に(気兼ねなく)観光できる時期が来たらぜひ窯垣を見に来てください!

    | 瀬戸のこと | 11:27 | comments(0) | - |









       1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031 
    << July 2020 >>
    + ●ご注意
    このブログの内容は加藤兆之助商店の発行するメールマガジン「瀬戸だより」のバックナンバー(保存版)になります。 文章は発行当時の内容になっています。日付など内容にはご注意ください。記事の全文あるいは一部を無断で転載・複製は禁止します。 http://web-setomono.com
    + SELECTED ENTRIES
    + CATEGORIES
    + ARCHIVES
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    + PROFILE
    + OTHERS
    このページの先頭へ