〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより581号「瑠璃釉」という話
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    陶祖の住居跡の碑がある公園。手前が瑠璃釉。

     

     8月に入りました。

     今週あたりは瀬戸市内でも地区ごとに行われる盆踊りが多いように思います。瀬戸音頭が聞こえる季節です。ほーんに瀬戸瀬戸よいところー 瀬戸は火の町土の町 チョイっと土の町ー です。

     

     暑い季節には陶器より磁器の器が似合います。薄手の磁器に涼し気な呉須で描かれた染付。そんな器で冷たいものを楽しみたいところです。

     この染付に使う「呉須」はコバルトの青を発色させた顔料です。呉須を使った釉薬、「瑠璃釉」をテーマにした展示が瀬戸蔵ミュージアムで行われています。「瑠璃釉のやきもの〜深遠な青の世界〜」11月5日まで。

     

     瑠璃釉は瀬戸で磁器の生産が開始された19世紀初めに作られはじめました。瀬戸は日本では数少ない天然の呉須を入手できる産地でした。と言っても、量は限られ貴重な材料でした。その天然の呉須を瑠璃釉は贅沢に使う釉薬。瑠璃釉の器も高価で貴重な特別の器だったことは想像できます。

     

     瀬戸を代表するような織部や黄瀬戸に比べればずいぶん後発な釉薬なんですね。伝統的な赤津七釉の釉の中には含まれませんが、比較的新しい釉薬が見られる瀬戸七釉には含まれてくるようです。

     

     呉須を含む釉薬を何度も掛け重ねてあの濃い、まさに瑠璃色の釉薬の発色に仕上げます。そこにはレリーフ状に装飾がつけられた部分は白く浮き出ています。美しい装飾です。が、なかなか手が込んだ(特に釉掛けはかなり面倒くさい)作りです。

     今回の展示でも瑠璃釉の植木鉢が何点か展示されています。植木鉢に高価な瑠璃釉……不思議な感じがします。江戸時代の終わりにはたいへんな園芸ブームが起こったとか。その際に金に糸目をつけず瀬戸まで特注で植木鉢を依頼する……当時の粋だったのでしょう。

     

     その後、明治期に入り安価な人口呉須がヨーロッパから安定的に供給されるようになり、幅広く使われるようになります。数多く輸出もされていきます。海外から輸入した顔料を使って出来た製品が再び海を渡って戻っていくというのは面白く感じます(というものの、日本からの工業輸出品って多くがそんなのもかもしれません)。

     

    ■瀬戸蔵ミュージアム企画展情報

    http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2011031500146/

     

     なかなか目に触れにくい釉薬という印象もある瑠璃釉。まとめて見る貴重な機会かもしれません。瀬戸蔵ミュージアムのコンパクトな企画展はいつも楽しみです。

    | せともの | 10:22 | comments(0) | - |









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