〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
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瀬戸だより567号「作風のベース」という話
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     市の広報誌と言うものはどこの地町村でもあると思います。もちろん瀬戸にも「広報せと」があり、月に2回届けられます。今回の5月1日号の表紙はあの藤井聡太四段。プロ棋士としてデビュー以来の14連勝の記録更新中、そして公式戦ではないですが羽生善治三冠にも勝利するなど、ニュースなどでも話題の中学生プロ棋士です。瀬戸市出身在住ということで、瀬戸市内ではもちろん大注目、よく話題になっています。

     

     どこまで連勝を続けるか、瀬戸中が藤井聡太四段の活躍に期待しています。

     

     

     さて本題。先週は瀬戸市美術館で開催中の特別展「瀬戸焼千年の歩み」を紹介しました。実はもう一つ瀬戸市美術館で同時に「第2回瀬戸・藤四郎トリエンナーレグランプリ受賞者展 加藤秀樹展」が行われています(5月28日まで)。ひとつのチケットで両方の展示を見ることが出来ます。

     

     藤四郎トリエンナーレは陶祖800年記念にスタートして、3年おきに行われる公募展。瀬戸市の粘土鉱山に参加者自らが赴き、自らの手で採集・生成した土で作品を作るというユニークなものです。昨年が2回目で、これはそのグランプリ受賞者の個展ということです。

     

     グランプリ作品の「あ うん」という作品は不思議な形の一対のオブジェとして発表の時から印象に残っていました。抜けてしまった臼歯のようにも見え、イソギンチャクのような不思議な生き物にも見えます。今回は藤四郎トリエンナーレ以外の作品も多く展示されています。日本陶芸展、みえ県展などに展示された作品などもあるのですが、同じシリーズというかよく似た形の作品群が展示室に並んでいました。

     そこに作家のこだわりを感じました。ひとつの形にこだわりながら色々変化させながら展開していくということでしょう。展示室は原始的な生物の進化の標本展示という雰囲気も感じます。

     

     作家の略歴を見ると県芸術大学で彫刻を学んだそうです。

     

     陶芸の世界で活躍する作家さんの中には学生時代は彫刻を専攻していたという方が多いように感じます。立体作品という点では陶芸と彫刻は似ているかもしれません。

     しかし、オブジェの作品を見た時に陶芸一筋に…という作家さんと彫刻を学んできた作家さんとは何かが違う印象を私は受けることがあります。たぶんそれは土という素材をひたすら見続けてきた感覚と、様々な素材を経験してきた中で土という素材に出会ったという感覚の違いのように思います。どちらも素材としての土を深く理解されていることは間違いないのですが、そこまでのアプローチの違いがどこか作品の中に見えてくるような気がします。どちらが良いか悪いかということでなく、なんとなくの話です。自分だけの感覚かもしれません。

     

     しかし、陶芸作家さんが陶芸以前にどんなことを学んできたのかというのは、必ず作品のどこかに感じられるんじゃないでしょうか。絵画なのか、テキスタイルのようなデザインなのか、染色、彫金、版画など、そこまでに身に着けてきたバックボーンのようなものがいかに重要かと思えます。

     その作家さんがどのような略歴を持っているのかというのも、作品鑑賞をより深いものにしてくれることは間違いありません。

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