〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
<< 瀬戸だより627号「せともの祭に向けて」という話 | main | 瀬戸だより629号「藤四郎トリエンナーレ」という話 >>
瀬戸だより628号「横山美術館に行ってきた」という話
0
    展示室。館内の撮影はOKでした。

     

     昨年10月、名古屋市内に新しい美術館が開館しました。明治以降に海外に向けて輸出された陶磁器を収集展示するという横山美術館です。個人コレクションがベースになっている美術館というのはそのコレクターの趣味や興味を感じられる公立の大きな美術館と違った面白みがあるといつも感じています。

     気になる美術館。いってきました!

     

     美術館は名古屋市東区葵にあります。地下鉄の新栄町や高岳の駅が最寄になります。名古屋の街の中心ですね。

     この名古屋市東区はかつては陶磁器の生産が盛んで輸出向けの製品が多く作られ、海を渡っていきました。この美術館の収蔵品も多くが海外からの里帰り品とのことです。

     名古屋の中心が陶磁器の生産拠点だったというと意外かもしれません。瀬戸をはじめ各地の産地から集められた白生地の磁器に細かな上絵付を施して輸出というのがこの辺りで多かった仕事と思います。ノリタケも最初は各地にあった生産拠点をここに集約したということもあったようです。輸出が盛んにおこなわれ始めた明治期は輸出先商社などからのオーダーを各地の産地に指示して作らせるよりも、この土地で生産する方が効率よかったんでしょうね。

     

     この横山美術館の収蔵品も幕末から明治の初めに海外の博覧会に出品する中で輸出品としての評判人気を高めた当時の陶磁器の魅力を伝えてくれています。初期の輸出品は技巧的というか、やりすぎくらいにみえる製品が多く見られます。そこからは当時の職人の技巧のレベルの高さもあり、さらに海外を舞台に品物を作るというモチベーションの高さも感じます。海外の日本趣味のブームもあり、モチーフも(国内向け以上に)日本的なものになっています。

     

     これらの製品はほとんどが輸出された関係上ほとんど国内には残っていない、また生産していたメーカーもその後解散などして資料も残っていないことも多いそうです。そうした明治以降の日本の外貨獲得に活躍した陶磁器たちを海外から買い戻し里帰りさせこうして美術館を作り展示する……個人でそれを行うことに大変さを考えると頭が下がります。

     

     

    ■横山美術館

    https://www.yokoyama-art-museum.or.jp/

     

     今回は企画展として「時を超え心揺さぶる カップ&ソーサー展」が開催されていました。オールドノリタケの製品を中心に数多くのカップとソーサーが並んでいました(明日1日まで)。

     その次の企画展は8月4日からの「セト・ノベルティ展」となるようです。輸出の花形だった瀬戸のノベルティ。その展示も楽しみです。

    | 展示感想 | 16:31 | comments(0) | - |









      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    << January 2019 >>
    + ●ご注意
    このブログの内容は加藤兆之助商店の発行するメールマガジン「瀬戸だより」のバックナンバー(保存版)になります。 文章は発行当時の内容になっています。日付など内容にはご注意ください。記事の全文あるいは一部を無断で転載・複製は禁止します。 http://web-setomono.com
    + SELECTED ENTRIES
    + CATEGORIES
    + ARCHIVES
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    + PROFILE
    + OTHERS
    このページの先頭へ