〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
瀬戸だより575号「連勝記録とか観光案内所とか」という話
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    画像は29連勝達成時の市民からのメッセージ

     

     今週も瀬戸在住のプロ棋士・藤井聡太四段は勝ち続けています!!

     歴代1位タイの28連勝!!

     地元でもコニュニティFM・RADIO SANQがファン交流会を開催したりと盛り上がっています(プロ入り以前からインタビューとかもしていますし)。28連勝前後には各テレビ局も瀬戸市内で街頭インタビューをしています。地元もどんどんヒートアップしています!!

     

     

     少し前の「瀬戸だより」でも紹介しました尾張瀬戸駅前のパルティせと1階にできました観光案内所。今月始めには正式にオープンしました。駅を降りて改札を出て真っすぐのところとなります。

     

     以前より観光に力を入れてきた瀬戸。年間を通してイベントの数も増えています。そして、先日の日本遺産登録と見ていただきたいところもいっぱいです。

     気軽にそういった情報を入手出来る場所の登場は観光で初めて瀬戸に来たという方には心強いのではないでしょうか。

     

     現在は案内所の中には陶芸協会の作家さんの作品展示がされています。見てきたましたが、器や花器などが中心ですがなかなか見ごたえのある展示でした。小さなギャラリーっぽい雰囲気もありますね。

     今後は季節や開催されるイベントに合わせた展示がされていくようです。これからは瀬戸に来たらまずここで情報収集と予習をして観光に行くというのもいいように思います。

     

     そして以前も書きましたが、瀬戸土産のお菓子なども販売されていますので帰りにも寄ってお買い物というのもありですね。特に日曜日にはここパルティせとで「日曜市 サンデーストリート」として様々なお店が並びます。身近なアートや食品など毎週好評です。合わせておすすめです。

     

    ■パルティせと店舗会(facebook)

    https://www.facebook.com/partiseto.store/

     

     ただ、今はパルティせと外側ではツバメが子育て真っ最中です。頭の上への「落下物」にしばらくは要注意です。

    | 観光・見どころ | 21:34 | comments(0) | - |
    瀬戸だより574号「すごい!モザイクタイルミュージアム」という話
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       さて、26連勝ですね。今週も勝ちました藤井聡太四段。ここまで来たら、新記録どころかぐんと記録を伸ばすところまで行ってほしいです!!

       

       

       時々、美濃の方まで仕事で出かけることがあります。その時、気になる施設がありました。モザイクタイルミュージアム。1年ほど前にオープンしています。

       

      ■モザイクタイルミュージアム

      http://www.mosaictile-museum.jp/

       

       このモザイクタイルミュージアムがある笠原という土地は、今は多治見市の一部になっていますが、以前は笠原町としてひとつの町でした。この土地で大正あたりから始まったタイル生産、今も多くのタイル工場があります。

       陶磁器といっても器だけではありません。このタイルというのも「やきもの」の分野の一部です。

       

       このミュージアム、建物自体がすごくユニークです。藤森照信氏による設計なんですが、言葉で表すなら「山をかまぼこみたいにスライスしたような土の壁」という形なんですが、うまく伝わるでしょうか。

       その中央にある小さなドア、細いくねくねとした小道が行き着くその何の表示もない小さなドアがミュージアムの入り口です。

       

       平日の昼間だったのですが、結構な数の来場者がいらっしゃいました。外観だけでなく内側も凝った作りになっていて、4階まで上がり展示を見ながら降りてくる、そんな作りでした。

       

       細かなタイルでいろいろな絵が描かれている…昔の銭湯などで見かけた懐かしい風景などのタイル絵。一般の家庭などで見かけた、浴槽、流し、かまど周りなど思い起こせばかつては様々な身近なところにタイルは使われていたことを思い出します。また、大きめもタイルに上絵で描かれた鯉や花などの絵タイルも展示されていました。建築の外壁などに使われる最近の建材としてのタイルなどまで、タイルの歴史や製造法、種類までタイルの世界の深さが体感できる展示でした。ミュージアムショップではタイルの販売、組み合わせて貼るなどの体験できる(有料)コーナーもありました。

       

       通りがかりで寄ってみた、という今回の訪問でしたが、次はじっくり時間をかけて再訪したいと思いました。

       いやあ〜、展示もそうだけど、建物に圧倒されましたよ。

      | 展示感想 | 23:11 | comments(0) | - |
      瀬戸だより573号「曜変の小宇宙」という話
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         毎週書き始めは恒例のようになっていますが、瀬戸の中学生プロ棋士・藤井聡太四段の快進撃は続いています。デビュー以来の連勝も今週は一気に23連勝に伸びました。どこまで伸ばすのか。地元のみならず、完全な社会現象ですね。


         さて、今月3日から瀬戸市美術館で開催中の「曜変・長江惣吉展」を見てきました(7月30日まで)。
         この作家さんはあの曜変天目の再現に先代から取り組んでいるという方です。曜変天目と言えば、年末に話題になったあの茶碗です。「瀬戸だより」でも話題にしました。

         

         再現された曜変の茶碗2点とその他製作された天目の茶碗が多数展示されています。
         私自身は国宝になっている3点の曜変天目を私は見たことがないので、この展示室の茶碗がどこまでそれらに近づいているのかは正直わからないところです。ただ、展示室の他の茶碗も含めてここまで研究を重ねてきた作家の気迫のようなものが展示ケースの中からでも伝わってきます。


         比較的小型のガラスケースに一点一点展示されているため、視線を左右に振って、いろいろな角度から鑑賞することは可能です。というものの、手前上から照らされる照明だけでは十分に全体を見るというには物足りなさも感じるのも正直なところです。ライトの位置を自在に変えられたら…と思ってしまいます。

         

         展示されている天目茶碗の輝き方は想像を超えるものでした。メタリックで、見る角度、光の当たる角度次第で様々な輝きを放つ不思議な世界観に引き込まれます。曜変天目を例えるのに「小宇宙」という表現を使う方がいらっしゃいますが、確かにそのように感じます。
         この茶碗を薄暗く狭い茶室の中で両手のひらに乗せて、差し込む僅かな光の下で茶碗の中に広がる玉虫色に次々と輝きを変化させる様子を覗き込む……そんな想像をしながらゆっくりと展示を見てきました。

         技術的なことも少し解説されていて、現地の調査によって2種類の土を探し出し、それを使い製作している。そしてあの不思議な輝きは蛍石を焼成後のまだ高温の窯の中に放り込みそこで発生するガスの作用で釉に変化を与えたり、被膜を生じさせたりという焼成方法にたどり着いたとのことです。


         ガスが変化を与える……それを知って展示を見直すと茶碗表面、内側の光沢部分もムラや変化が見て取れ、確かにガスの流れというものが見えた気がします。

         耀変天目という「解答」が残されていて、その解答にたどり着くヒントはない。そんな手探りの状態から土や焼成方法、釉薬など様々な要素の組み合わせを試行錯誤して来た制作過程は想像を超えるものであろうと思います。

         


         隣の展示室には瀬戸市美術館の収蔵作品展と言うことで、瀬戸にゆかりの作家の作品が多数並出られています。こちらも興味深く見てきました。鈴木五郎氏の巨大な「灰釉大土瓶」の迫力には圧倒されました。


         手の平に乗るサイズの天目茶碗の迫力、大きな土瓶の迫力、大きさの大小に関係なく感動を呼ぶこの陶芸という世界の奥深さを感じる展示でした。

         会期もまだまだ長いのでぜひご覧ください。

         

        ■曜変・長江惣吉展(瀬戸市美術館)
        http://www.seto-cul.jp/information/index.php?s=1494550758
         
         

        | 展示感想 | 13:06 | comments(0) | - |
        瀬戸だより572号「昭和20年代末の瀬戸の商店街」という話
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           6月になりました。

           

           このところ毎回同じような書き出しですが、瀬戸出身の中学生プロ棋士・藤井聡太くんの連勝は続いています。20連勝。もう勝つたびにニュースになる……すごいですね、まったく。

           

           先月、「瀬戸だより」でも取り上げました尾張瀬戸駅前ビルのパルティせとに準備中だった観光案内所が今日朝正式にオープンしました。詳細はまた何かの機会にお届けしますが、観光情報や作家の作品展示、おみやげの販売など、瀬戸の観光のスタートラインにこれは利用できますね!

           

           新しい観光の拠点もいいですが、古地図を見ながら街の散策というのも最近は流行っているようです。


          先日、本のコピーをいただきました。「古地図で楽しむ尾張」という本にある瀬戸中心商店街である末広町と朝日町(今の瀬戸銀座通り商店街)のイラストマップの部分です。昭和28年の名古屋タイムスの紙面にあったもののようです。

           

           これがなかなか興味深いものでした。地図には細かく一軒一軒のお店の名前がかかれています。ながめていると、今も同じ場所で同じお店がある、というところも多くあります。また、商店街の中で移動しているお店も見られます。
          映画館も2軒。あと、パチンコ屋が何軒もありますね。店の間口など想像すると今とは違う小さなパチンコ屋だったようです。今は閉めてしまっている店でも「看板だけは見たことあるな」というものもあります。
          瀬戸が「尾張の小江戸」などと呼ばれ、賑やかで最も栄えていた時代だったと思います。2つの商店街がそれぞれ90軒お店があるという中で、2件ほどは「〆切の家」の文字もあります。今だとシャッターの締まった店、なんでしょうか。結構多くなっていますね、最近は……残念ですが。

           

           尾張全体をまとめた本ですので、瀬戸の部分はわずかなようですが面白そうな本です。
          この地図を片手に尾張の各地ををめぐるのも楽しそうです。

           

          | 瀬戸のこと | 13:01 | comments(0) | - |
          瀬戸だより571号「せともの祭は9月」という話
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             さて、今週も中学生プロ棋士・藤井聡太くんの連勝は記録更新中です。20連勝も文字通り王手という所まで来ていますね。瀬戸市役所に掲げられた「連勝記録更新中」の垂れ幕も初夏の風に爽やかに揺られています。

             

             今週は組合(瀬戸陶磁器卸商業協同組合)でせともの祭廉売市の会議が開かれました。

             せともの祭は毎年9月第2土曜と日曜。今年はカレンダーを確認すると9日土曜日と10日日曜日になります。早い時期の開催となります。

             会議では昨年までに問題としてあがっている点の改善や対応について説明を受け、また全国からいらっしゃるお客様により楽しんでいただけるイベントになるよう意見交換などが行われました。内容は検討中のものも多く、詳しくは書けないのですが、いくつか出店される方には変更があるように思います。

             

             やっと、初夏の日差しの中、半袖のシャツを出してきたという気持ちいい季節ですが、9月はやっぱり例年同様猛暑のせともの祭となるのでしょうか。とにかく準備は着々と進められています。お楽しみに。

             

             ちなみに出店を予定されている皆さん、6月26日から申込書の配布予定ということなので、その頃に詳細なども含めてお問い合わせください。

            | 話題 | 12:06 | comments(0) | - |
            瀬戸だより570号「新しい観光案内所」という話
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               今週も瀬戸出身の中学生プロ棋士・藤井聡太くんの連勝は続いています。市役所の連勝中を祝う大きな垂れ幕もますます輝きを増しているようです。

               

               昨日は組合(瀬戸陶磁器卸商業協同組合)の総会があり、出席してきました。

               業界内外のいろいろな話題や情報をお聞きしたりしたのですが、海外で、国内での不安定要素もあり昨年同様市場の動向は厳しいものではないか…という見方が基本でした。個別の話は割愛しますが、今月中にはせともの祭の廉売市実行委員会の会議も始まり、9月のお祭りに向かってもうすでにスタートという感じです。

               

               さて本題。

               

               名鉄・尾張瀬戸駅前、パルティせと入口に観光案内所が出来ます。

               先月の陶祖まつりからゴールデンウィークの期間中は仮オープンしていましたので、その時に利用した方もいらっしゃると思います。近々、正式にオープン(5月末ごろとされていました)とのことで、現在は閉まっています。仕上げの工事のようです。

               今までもこの駅前のパルティせとには、観光インフォメーションのカウンターがありおもてなしボランティアの方々が案内されていました。これからはより本格的な瀬戸の案内や情報発信の場所が期待できますね。

               

               仮オープン中にのぞいてきましたが、なかなかの施設でした。その時は瀬戸の名工と言われたような昔の作り手たちの作品が何点か展示されていていました。また瀬戸のおみやげとして推奨されているお菓子などもここで買えるようになっていました。電車で出かける前にちょっと手土産を買う、瀬戸に遊びに来た帰りに買い忘れたお土産を、なんて感じで瀬戸の人にも訪れた人にも便利になりそうです。

               本オープン以降はどんな形に(内容に)なるかはわかりませんが、瀬戸に観光でいらっしゃるお客様も増えていますのでこの案内所で便利になるんじゃないでしょうか。

               せともの祭や招き猫まつりの9月には、おもてなしの中心・入口になっていそうですね。

              | 観光・見どころ | 10:52 | comments(0) | - |
              瀬戸だより569号「いろいろな話題をまとめて」という話
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                昨日は瀬戸出身の中学生プロ棋士・藤井聡太四段がデビュー以来の連勝記録を17に伸ばしたというニュースがありました。市内に掲げられている連勝記録更新中の横断幕もまだまだ片付けられることはないようです。今回の彼の活躍は瀬戸はもちろん全国的にもニュースで取り上げられるなど話題になっていますが、注目の中でプロ棋士の対局がこんなにタイトな日程で続いていくことは知りませんでした。やはりプロの世界というのは大変ですね。

                 

                 今日と明日は瀬戸市の陶器の生産の多い赤津地区・品野地区で「赤津窯の里めぐり」・「しなの工房めぐり」が開催中です。春と秋に行われるこのイベント、普段はなかなか一般には見ることができない窯元・作家の工房が開放されるということでリピーターの多い人気のイベントになっています。

                 展示即売のほか、様々なおもてなしなども用意されています。

                 今日は天気がはっきりしない一日でしたので、人出はどうだったでしょうか。

                 

                 こういったイベントは瀬戸に限らず様々な産地などで行われていると思います。最近は陶芸教室などで自作の陶芸作品を楽しむ方も多いようで、窯元・作家さんに作り方などを細かくたずねる方も少なくないようです。ただ、そこで時間をかけて(その間、作家さんが他のお客様に対応できない)質問するだけでなく、参考にと無断でいくつか写真に撮って帰っていくような方もいらっしゃるようです。イベントだからそんなことくらいと思われるかもしれませんが、窯元や作家さんによってはあまり気分がよくないと感じることもあるようです。

                 お祭りやイベントを盛り上げる、長く続かせるというのは主催する側はもちろんですが、参加するお客様の盛り上げがあってのことだと思います。今年も様々なお祭り・イベントが瀬戸で行われますが、関わったすべての人がよかったと思えるものになればと思います。

                 

                 9月に行われる招き猫まつりでの「にっぽん招き猫100人展」。今月末が出展の締切になっているようです。出展を準備されている、予定されている方は忘れないように!

                 

                 瀬戸のイベントに華を添えていただいているミスせとものの募集が15日からスタートします。

                 

                 今回は様々な話題を取りまとめてお届けしました。 

                 

                | 話題 | 00:06 | comments(0) | - |
                瀬戸だより568号「日本遺産認定」という話
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                   今週のニュース。「平成29年度の『日本遺産(Japan Heritage)』17件が認定され、『きっと恋する六古窯 −日本生まれ日本育ちのやきもの産地−』として瀬戸を含む6箇所の陶器産地が認定されました」……というニュース。

                   

                   ふむふむ。このニュース、ポイントになる2つのキーワードは「日本遺産」と「六古窯」でしょうか。

                   

                   まずは日本遺産。日本遺産のホームページを見てみますと……

                   

                  「文化庁では, 地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し, ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組を支援します。」(引用・日本遺産ポータルサイト)

                   

                  ……ということです。ストーリーというのがポイントのようです。文化財1点1点ではなく地域の文化伝統を物語として展開していくもののようです。世界遺産登録や文化財登録とは違い、保全が目的ではなく地域活性化が目的とも書かれています。まあ、その土地の歴史文化、伝統を利用した地域活性のための新しい取り組みということでしょうか。

                   

                  ■日本遺産ポータルサイト

                  https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/index.html

                   

                   六古窯というのは、鎌倉・室町の時代にもうすでに生産を行っていた陶器産地で現代までも生産が絶えることなく続いている産地、となります。瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前がその6ヶ所。それぞれ産地によって土味や作られるものの特徴も様々なのですが、おおむね日本の陶器のルーツとも言えると思います。

                   

                   また、瀬戸と常滑は愛知県では初の日本遺産認定ということですね。

                   

                   日本遺産も六古窯も簡単に説明するとそんな感じなんですが、よくわからないのが「きっと恋する六古窯…」という部分。恋する?六古窯の前にどうしてこんなお見合いイベントのような6文字が付けられているのか?謎です。他の日本遺産のタイトルと比べて何か異質に感じます。これからこの日本遺産の六古窯として「恋」につながっていくということでしょうか?誰が恋するのか?

                   

                   そして、日本遺産の認定を活かして六古窯同士のつながりは深まったりするのか。今後にも注目の六古窯です。

                   

                  ■日本遺産に認定!「きっと恋する六古窯 −日本生まれ日本育ちのやきもの産地−」(瀬戸市)

                  http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2017042500038/

                   

                   

                  | 歴史 | 14:35 | comments(0) | - |
                  瀬戸だより567号「作風のベース」という話
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                     市の広報誌と言うものはどこの地町村でもあると思います。もちろん瀬戸にも「広報せと」があり、月に2回届けられます。今回の5月1日号の表紙はあの藤井聡太四段。プロ棋士としてデビュー以来の14連勝の記録更新中、そして公式戦ではないですが羽生善治三冠にも勝利するなど、ニュースなどでも話題の中学生プロ棋士です。瀬戸市出身在住ということで、瀬戸市内ではもちろん大注目、よく話題になっています。

                     

                     どこまで連勝を続けるか、瀬戸中が藤井聡太四段の活躍に期待しています。

                     

                     

                     さて本題。先週は瀬戸市美術館で開催中の特別展「瀬戸焼千年の歩み」を紹介しました。実はもう一つ瀬戸市美術館で同時に「第2回瀬戸・藤四郎トリエンナーレグランプリ受賞者展 加藤秀樹展」が行われています(5月28日まで)。ひとつのチケットで両方の展示を見ることが出来ます。

                     

                     藤四郎トリエンナーレは陶祖800年記念にスタートして、3年おきに行われる公募展。瀬戸市の粘土鉱山に参加者自らが赴き、自らの手で採集・生成した土で作品を作るというユニークなものです。昨年が2回目で、これはそのグランプリ受賞者の個展ということです。

                     

                     グランプリ作品の「あ うん」という作品は不思議な形の一対のオブジェとして発表の時から印象に残っていました。抜けてしまった臼歯のようにも見え、イソギンチャクのような不思議な生き物にも見えます。今回は藤四郎トリエンナーレ以外の作品も多く展示されています。日本陶芸展、みえ県展などに展示された作品などもあるのですが、同じシリーズというかよく似た形の作品群が展示室に並んでいました。

                     そこに作家のこだわりを感じました。ひとつの形にこだわりながら色々変化させながら展開していくということでしょう。展示室は原始的な生物の進化の標本展示という雰囲気も感じます。

                     

                     作家の略歴を見ると県芸術大学で彫刻を学んだそうです。

                     

                     陶芸の世界で活躍する作家さんの中には学生時代は彫刻を専攻していたという方が多いように感じます。立体作品という点では陶芸と彫刻は似ているかもしれません。

                     しかし、オブジェの作品を見た時に陶芸一筋に…という作家さんと彫刻を学んできた作家さんとは何かが違う印象を私は受けることがあります。たぶんそれは土という素材をひたすら見続けてきた感覚と、様々な素材を経験してきた中で土という素材に出会ったという感覚の違いのように思います。どちらも素材としての土を深く理解されていることは間違いないのですが、そこまでのアプローチの違いがどこか作品の中に見えてくるような気がします。どちらが良いか悪いかということでなく、なんとなくの話です。自分だけの感覚かもしれません。

                     

                     しかし、陶芸作家さんが陶芸以前にどんなことを学んできたのかというのは、必ず作品のどこかに感じられるんじゃないでしょうか。絵画なのか、テキスタイルのようなデザインなのか、染色、彫金、版画など、そこまでに身に着けてきたバックボーンのようなものがいかに重要かと思えます。

                     その作家さんがどのような略歴を持っているのかというのも、作品鑑賞をより深いものにしてくれることは間違いありません。

                    | 展示感想 | 13:12 | comments(0) | - |
                    瀬戸だより566号「瀬戸焼千年の歩み」という話
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                       瀬戸市美術館で開催中の「瀬戸焼千年の歩み −その絶え間ない進歩−」を見てきました。5月28日まで。

                       

                       先週は陶祖まつりだったのですが、その陶祖が活躍した鎌倉時代よりもずっと前から瀬戸では焼き物作りが始まっています。

                       今回の展示でも10世紀から展示がスタートしています。展示の「第1章 瀬戸焼の始まり」、須恵器の時代から施釉がされた灰釉陶器の生産が始まった時代です。最初は瓶子や四耳壷、山茶碗などの展示が目立ち、続いて本格的な施釉陶器である古瀬戸へ繋がっていきます。

                       

                       「第2章 多様化する技術・表現」は桃山時代から江戸時代。茶の湯の流行とともに文字通り技術的にも表現としても急速の進歩した時代です。磁器の生産も瀬戸で始まります。今回の展示でも見ごたえのあるゾーンじゃないかと思います。茶碗や茶入れなどの茶道具から、石皿や馬の目皿などの日常雑器まで、この時代の瀬戸で生産する陶磁器の多用さが伝わってきます。

                       

                       「第3章 躍進する陶都」は明治以降、現代に至るまで。海外の万博などに瀬戸焼を展示し、またそこでデザイン的にも技術的にも受けた影響を陶磁器づくりに反映していく時代です。輸出が念頭に置かれ、瀬戸ノベルティやファインセラミックまで展示されています。この時代は完全に陶工から作家へと作り手の意識や作風も変化していく時代です。

                       

                       この千年以上の瀬戸の陶磁器の歴史。瀬戸市美術館の今回の展示では展示品の数から考えるとかなりの駆け足で、端折った感じではありますが、ざっと瀬戸焼の歴史を流れを見るのはちょうどよい感じがします。瀬戸蔵ミュージアムの展示では大きな展示室の壁をぐるっと一周して瀬戸の陶磁器の歴史をみるところもあります。行くたびに展示資料の数に圧倒されてしまいますが、今回の展示とは企画が違いますのでそれぞれ楽しめます。

                       

                       今回の展示の中に瀬戸から海外に輸出された展示品の中に陶器製の枕・陶枕があります。染付(銅版転写)された箱型の陶枕は自分の祖母の生家が戦前戦中に作っていたものです。なかなか目にする機会は少ないと思いますので、個人的におすすめです。

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                      このブログの内容は加藤兆之助商店の発行するメールマガジン「瀬戸だより」のバックナンバー(保存版)になります。 文章は発行当時の内容になっています。日付など内容にはご注意ください。記事の全文あるいは一部を無断で転載・複製は禁止します。 http://web-setomono.com
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