〜せとものの話をしませんか〜「瀬戸だより」保存版

瀬戸の陶磁器店・加藤兆之助商店が発行しているメールマガジン「瀬戸だより」の保存版です。瀬戸のこと、焼き物のことなど、毎週土曜日お届けしています。
http://web-setomono.com
瀬戸だより632号「釉の変化」という話
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     さて、今週は台風接近中の瀬戸です。この地方、これから夜に向けて台風がやってきます。またさらに進路になる西日本の皆様には(先日の豪雨被害があった地方の方は特に)ご注意してお過ごしください。東から西へという変なコースの台風です。何事もなく過ぎてくれるのを願っています。

     

     長いお付き合いのお客様と話していると「こんな感じで流れるかなあ?」「最近はどんな感じ?」と釉薬のことを確認されることがあります。数年前にお届けした商品の追加やサンプルが古いものしかない場合とかです。手作りの器を理解していただいているわけで、ありがたい言葉です。

     ちょっとした釉薬の変化(元の原料が変わるとか窯元が改良を加えている)であったり、窯の調子(温度の上がり方)などで釉薬の色合いや流れ方は結構影響を受けます。同じように作っている場合でも長年のわずかな変化の蓄積で、以前のものと比べると「あれ?」と思うこともあります。

     以前作っていた古いサンプルを持って窯元を訪ねると「あー、これかあ。今はもうちょっと濃くなっているよ」とか話されることもあります。

     特に流れやすい釉(御深井など呉須や鉄で書かれた文様を流れで変化をつけるものなど)は流れすぎると失敗、流れなくても失敗という微妙な調合や窯の温度調整となる場合もあるので大変です。ちょっと思ったより流れちゃったかな…くらいが変化が大きくてものとしては面白く感じますが、次回もこれと全く同じでと言われると難しい場合もあります。そのあたりはもちろん作家さんも窯元もベストの条件を経験則から導き出して「いつもベスト」の状態を目指しています。

     

     古いお客さんとは同じ作り手の同じ釉薬でも「あの頃の感じが良かった」「最近はすごく良くなった」さらには「先代の色合いにそっくりになってきていい」など、深い会話ができるようになってきます。わたしたちにとっても楽しい会話・時間です。なぜなら、お客さんと当店だけでなく作家さん(窯元)も揃って長くお付き合いが続いているということですから。楽しく会話です

    | 陶磁器 | 16:27 | comments(0) | - |
    瀬戸だより631号「盃の相方」という話
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       言わないようにと思いますが、毎日暑いですね。もちろん、瀬戸も暑いです!子どもたちもいよいよ夏休み突入ですね!

       

       今週は金曜日にせともの祭の廉売市会場の出店場所の線引作業に参加してきました。先週までに申し込みが終了し、出店数が決まったのを受けて実際の会場(瀬戸川沿いの路上など)に必要なだけの出店場所を実際に測り目印を付ける作業です。せともの祭は9月ですが、毎年このタイミングで実測、来月には出店場所決定の抽選となります。

       概ね昨年と変わらない出店申込数ということでした。昨年はかなりの出店数でしたので……今年も盛り上がりそうです!

       まあ、毎年のことですがとても暑い作業でした。

       

       

       先週はさかずき(盃)の話題だったのですが、盃と対になる相方…「徳利(とっくり)」について少し書きます。

       

       盃のことを考えていましたら、そういえば最近は徳利の出荷は少ないなあと…。

       最近は冷酒で日本酒を楽しむということも普通になってきました。冷酒ならガラスなどの徳利のほうが馴染むでしょうし、最初からコップに注ぐことも自然に成りました。

       熱燗なら徳利の出番でしょうが、その機会も昔と比べると減っているんじゃないでしょうか。

       

       作家物のぐい呑などは人気があります。本格的な日本酒を楽しむというファンが増えている中、器にもこだわることはよくわかります。

       そんな「家呑み」なんていう楽しみ方もあるなら、ますます徳利の出番は飲食店での熱燗に限られてきそうです。

       

       先日も他業種の方々と飲む機会があったのですが、その時テーブルの徳利を眺めながら飲食に関係する方々が「うちの2合徳利はもうちょっと入る」とか「昔はもっと小さかったんじゃないか」とか話すのが興味深かったですね。飲食店の徳利は何合というのは概ね目安のような感じでしょうか。多く入っているように見えて、実際は少ない容量という徳利の形が商売上は理想かもしれません。

       そこが酒飲みの方には不満があるようで、酒メーカーの蓋をとってそのまま熱燗できるような容器(ガラスとかの瓶入り)の方が納得できていいという意見もよく聞きます。

       

       うちに古い徳利があるけど全く使わないなあ、という話も最近はよく聞きます。そんなときに話すのは一輪立として花を飾るのに使ってみてはどうでしょうということです。大きさや形も様々なんで結構楽しめます。

       実際、徳利を(とくに作家の土物とかは)一輪立てとして最初から求める方もいらっしゃいます。もちろん、あらためてもう一度熱燗を楽しむのもおすすめです。

      | 選ぶ・使う | 16:28 | comments(0) | - |
      瀬戸だより630号「市之倉さかづき美術館」という話
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         時々、仕入れなどで多治見方面に出かけることがあります。瀬戸から国道に沿って多治見市に入ると(248号)、市之倉という地区となります。ここに「市之倉さかづき美術館」があります。

         いつも看板を横目に通り過ぎていましたが、先日初めて立ち寄ることができました(いったい何年前を通ってきているのか!?)。

         

         この多治見市市之倉という地域は古くからさかづき(盃)の生産が盛んで明治期には全国の盃生産の大多数占めていた、とのことです。美濃焼の産地、多治見でもかなり中心からは離れた地域ということもあり、少量の土で作ることができ、出荷もしやすいという背景もあったようです。付加価値の高い分野とも言えます。

         

         美術館の展示も小さな美しい盃がたくさん並んでいます。美術館展示室は比較的小さいのですが、展示される「品」も小さなものですから、点数も多く密度の濃い展示です。

         料亭など宴席で手に取り眺める「器」ですので、細かな装飾や模様を施すことができます。他の料理の器とは違った距離感での鑑賞を作り手も意識せざるを得ない…そのことに気が付きます。

         時代に沿った展示、他産地の盃の展示も含めて、様々な盃が並びます。その中で兵隊盃というものがありました。戦中に戦意高揚のためや除隊の記念、師団などの様々な記念に作られたという盃です。その記念を示す文字のほか、日の丸や戦車など、人物の写真、様々な時代を感じる絵柄があります。その盃を見ているとその戦争の時代に生きた様々な人の思いが伝わってくるようです。

         

         ここの美術館は盃の展示だけではなく2階は巨匠館として地元にゆかりの人間国宝や巨匠の作品が常設で展示されています。加藤 土師萌・五代 加藤 幸兵衛・荒川 豊蔵・加藤 唐九郎・塚本 快示・加藤 卓男・鈴木 蔵・加藤 孝造の8名の作家の茶碗などの展示は狭い空間の中で圧倒的な迫力を感じます。

         

         展示室を上回るほどの面積のあるミュージアムショップでは今作られている器の数々が手に取って見ることができ、これはまた別の刺激を与えてくれます。

         

         いつも前を通り過ぎていたことが悔やまれる美術館でした。

         

        ■市之倉さかづき美術館

        http://www.sakazuki.or.jp/

         

        | 展示感想 | 17:02 | comments(0) | - |
        瀬戸だより629号「藤四郎トリエンナーレ」という話
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           今回の豪雨で被害にあわれた皆さんには心よりお見舞い申し上げます。まだまだ警戒が必要です。お気をつけてお過ごしください。

           

           今週、せともの祭の廉売市出展申し込みをしてきました(組合員向け受付)。9月に向けてそろそろ準備も始めなくてはいけませんね。今年のせともの祭は9月8日・9日の土日です。

           

           さて、最近はワールドカップで寝不足という方も少なくないと思います。日本代表の活躍に熱狂し、結果に一喜一憂し、4年に一度のにわかファン(私だ!)も含めて楽しんでいます。オリンピックもそうですが4年に一回、数年に一回というペースが期待感を高め、人々をより感動させるのではないかとも思います。

           

           瀬戸市のあちこちに3年に一度の「瀬戸・藤四郎トリエンナーレ」の募集要項が置かれるようになっています。この藤四郎トリエンナーレも3回目になります。

           瀬戸市で行われる陶器の公募展ということですが、他の公募展とは違った特徴があります。「瀬戸の原土を活かして」と書かれているように、作家自身が瀬戸の鉱山に入り自らの手で土を掘り、採収し、精製し、それを使って作品を作るというものです。募集の締め切りは今月末7月31日ですが、作品の搬入は来年の3月末です。その間、8月(の決まった日)に鉱山で原土採収からはじまる製作期間になります。

           昔は土を山から採収するところから陶器作りは始まりました。どこにいい土があるのか、それを探して見分けるというのも「技術」の一つだったはずです。また、土というのは陶器作りには重要な要素でもあり、古い窯跡などの調査では土(や燃料)の枯渇により生産拠点を移動したりしています。

           今は粘土をはじめほとんどの原料をそれぞれの専門業者を通して入手する時代。山の原土も精製されて手元に届く時代にこの公募展のルールは新鮮であり、より作り手が本来の「古の陶工」に近づくことに他ありません。

           

           作り手の皆さん、他の公募展とはちがったハードルもありますが(土の精製だけでなく、実際瀬戸まで足を運ぶ必要など)普通では体験できない製作体験にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

           

          ■第3回瀬戸・藤四郎トリエンナーレ 参加者募集(瀬戸市)

          http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2018060600021/

          | 瀬戸のイベント | 16:29 | comments(0) | - |
          瀬戸だより628号「横山美術館に行ってきた」という話
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            展示室。館内の撮影はOKでした。

             

             昨年10月、名古屋市内に新しい美術館が開館しました。明治以降に海外に向けて輸出された陶磁器を収集展示するという横山美術館です。個人コレクションがベースになっている美術館というのはそのコレクターの趣味や興味を感じられる公立の大きな美術館と違った面白みがあるといつも感じています。

             気になる美術館。いってきました!

             

             美術館は名古屋市東区葵にあります。地下鉄の新栄町や高岳の駅が最寄になります。名古屋の街の中心ですね。

             この名古屋市東区はかつては陶磁器の生産が盛んで輸出向けの製品が多く作られ、海を渡っていきました。この美術館の収蔵品も多くが海外からの里帰り品とのことです。

             名古屋の中心が陶磁器の生産拠点だったというと意外かもしれません。瀬戸をはじめ各地の産地から集められた白生地の磁器に細かな上絵付を施して輸出というのがこの辺りで多かった仕事と思います。ノリタケも最初は各地にあった生産拠点をここに集約したということもあったようです。輸出が盛んにおこなわれ始めた明治期は輸出先商社などからのオーダーを各地の産地に指示して作らせるよりも、この土地で生産する方が効率よかったんでしょうね。

             

             この横山美術館の収蔵品も幕末から明治の初めに海外の博覧会に出品する中で輸出品としての評判人気を高めた当時の陶磁器の魅力を伝えてくれています。初期の輸出品は技巧的というか、やりすぎくらいにみえる製品が多く見られます。そこからは当時の職人の技巧のレベルの高さもあり、さらに海外を舞台に品物を作るというモチベーションの高さも感じます。海外の日本趣味のブームもあり、モチーフも(国内向け以上に)日本的なものになっています。

             

             これらの製品はほとんどが輸出された関係上ほとんど国内には残っていない、また生産していたメーカーもその後解散などして資料も残っていないことも多いそうです。そうした明治以降の日本の外貨獲得に活躍した陶磁器たちを海外から買い戻し里帰りさせこうして美術館を作り展示する……個人でそれを行うことに大変さを考えると頭が下がります。

             

             

            ■横山美術館

            https://www.yokoyama-art-museum.or.jp/

             

             今回は企画展として「時を超え心揺さぶる カップ&ソーサー展」が開催されていました。オールドノリタケの製品を中心に数多くのカップとソーサーが並んでいました(明日1日まで)。

             その次の企画展は8月4日からの「セト・ノベルティ展」となるようです。輸出の花形だった瀬戸のノベルティ。その展示も楽しみです。

            | 展示感想 | 16:31 | comments(0) | - |
            瀬戸だより627号「せともの祭に向けて」という話
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               大阪北部地震で被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。

               

               

               6月も半ばを過ぎ、いよいよ梅雨本番という天気が続いています。

               月が替われば9月のせともの祭に向けての準備が本格化していきます。

               今年のせともの祭は9月8日土曜と9日日曜となっています。

               

               先月、組合(瀬戸陶磁器卸商業組合)で廉売市実行委員会が行われました。いくつかの変更点はありますが、概ね申し込みの内容は例年通りです。

               大きな変更点は申し込みが昨年までは決められた日・時間(一日で午前中)のみだったものが(一般の申し込みは)7月9日から13日という幅が作られたことです。また申し込みも持参のみでなく「郵便振替」も可能になりました。

               これは出店の資格が広げられ、遠くからの出店者も増えてきたことに対する変更になると思います。遠くからの出店を考えている方には負担が減りますね。

               

               しかし、せともの祭当日まで全く瀬戸に足を運ぶ必要がなくなった、というわけではありません。8月に設定されている廉売市の出店場所の抽選会には来ていただくようになっています。くじを引いて場所を決めるというだけでなく、注意事項に関しての説明が行われるためです。出店の準備作業や出店のルール、片付けに関することなど重要な説明となります。お祭り当日安心して出店できるよう、次年度以降に問題を残さないよう変更点など重要なルールになりますので、必ず参加をお願いします。

               

               週明けの25日から廉売市申込書の配布が始まるようです。組合員(当店もだ)や以前からの出店者には郵送で届いているかもしれません。

               せともの祭廉売市に参加を考えている方は申し込みを忘れないようにお願いします!(今週はなんか業務連絡のような内容でした)

               

              ■瀬戸陶磁器卸商業協同組合(まだ今年のせともの祭の情報はないですが)

              http://seto-tosyo.jp/

              | 瀬戸のイベント | 16:42 | comments(0) | - |
              瀬戸だより626号「陶生病院の壁画・ふたたび」という話
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                もう見られませんね

                 

                 陶生病院といえば、瀬戸市にある公立の病院です。瀬戸市のほか周辺の市が共同で設置している地域の医療の中心といえる施設です。この病院が今年5月に新しい病棟が完成しました。今まであった施設設備は新しい病棟に移り、古い病棟は取り壊しとなるようです。

                 新しい施設になってから(なぜか)行く機会が増えて、その最新の設備に驚くとともに、地域の医療の充実ぶりに頼もしさに感動したりしています(ただ、今は古い病棟や駐車場のルートが複雑で病院の中で道に迷うのもしばしば…)。

                 以前からですが、この病院内のあちこちに地元の陶芸家の作品や画家の絵画が通路や待合に展示されていて、待ち時間に楽しむことができました。それらは新しい病棟でも変わらず楽しめるようです。

                 

                 この「瀬戸だより」でも、建物の取り壊しのたびに話題にしてきたのが「陶壁」です。瀬戸の公共の建物には(最近は少なくなりましたが)地元の陶芸作家による陶壁が設置されていました。その時代を代表する作家によって建物の入り口やホール部分が彩られています。建物が老朽化し、役割を終えた時にその陶壁はどういう運命をたどるのか……。

                 旧・市民会館の北川民次原画の壁画は瀬戸蔵横に移設されました。旧・サンパレア瀬戸の加藤唐九郎作の大きな陶壁はそのまま建物とともに閉鎖されています。旧・市役所の入口にあった鈴木青々作の陶壁は一部のみを切り出して保存……瀬戸だよりがスタートして10数年の間でもいろいろな建物の閉鎖がありました。基本的に陶壁はその建物の壁に合わせて制作されるもので、「建物の一部」として建物とともに終わりを迎えるというのが(作家さんも含めて)共通の認識となっているようです。

                 というものの、その建物の建てられた時に活躍されていた瀬戸を代表する作家の力作……残念という部分はありますね。

                 

                 陶生病院の旧病棟の受付ホールにも陶壁はありました。昭和の一時代、瀬戸を代表する作家、加藤舜陶氏と加藤氏作の大きな陶壁が東西に向かい合うようにありました。今はもう古い病棟のこの部分には入れなくなっています(そっとのぞけるていどかな)。もう、片付けられた古い備品で埋め尽くされていました。

                 陶壁が建物とともに作られ、その終わりを同じくするのは仕方ないと理解できます。でもそうなるなら、取り壊しの前にきちんとした記録(画像など)は残すべきではないかと。そういうことがされているのかはわかりませんが(たぶん設置の時の工事記録はあるんでしょうけど)、もう一度ゆっくり見ておきたかったという気持ちはあります。(下記は以前の瀬戸だよりで取り上げた陶生病院の壁画)

                 

                ■133号 「陶生病院の壁画」という話 (2008/12/20発行)

                http://web-setomono.com/tayori/tayori133.html

                | 雑感 | 16:43 | comments(0) | - |
                瀬戸だより625号「土練機がやってきた」という話
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                  乾燥防止でビニールがかけてある土練機

                   

                   

                   土練機の話です。土練機。どれんき。

                   

                   

                   すべての陶磁器は「土」から生まれます。土が柔らかすぎれば作る際に形が崩れてしまったり、また固すぎればまた作りにくい……ちょうどいい感じの固さで作業したいものです。また、いくつもの土をブレンドして好みの土を作るということもよくあります。

                   本来なら手で土を練り(あるいは足で踏んだり)その作業をするのですが、それを手助けするのが土練機となります。

                   

                   時代によって様々なスタイルもあったようですが、一般的には大砲のような形という感じです。上に四角い桝形の枠がありその中に土を放り込んでいきます。そこから伸びる(大砲で言うところの)砲身のような筒な中で練られながら押し出され、出口から(歯磨きのチューブのように)出てきます。これが基本形です。

                   

                   真空土練機というものもあり、これは練りながら真空ポンプで空気を抜いてくれる……菊練りをしなくてもそのままろくろへ、ということも可能です。

                   

                   

                   ずっと前から、個人的に欲しくて欲しくてというのが土練機でした。

                   日常的に土を使っているわけではなく、時々ろくろを回す、窯を焼くというマイペースでやっているくらいなら手で練ればいいのじゃないか……とも思われるかもしれません。でも、たまに作業しようとすると、実際の製作より土の管理や後始末に時間を取られ(というかそれで疲れてしまい)思うように進まないことばかりなんです。土練機があれば短い時間で効率よく作業ができるはず……。

                   

                   その土練機が今週、うちにやってきました。ある作家さんが使われていたもので、もう使わないというものでした。

                   土練機は電気のモーターで動かすものなんですが、大きなものは動力線など家庭用とは違う電力が必要になります。そのあたりが問題になるのですが、今回の土練機はかなり小型で家庭用のコンセントで使えるものでした(うちにはピッタリ)。もちろん常圧(真空土練機ではない)です。

                   

                   小型でモーターのパワーも強力ではないのでちょっとのんびりした感じですが、手で作業するのとは格段に楽に短時間で土の始末が出来るようになりました。

                   たぶん昔はなかったコンパクトサイズの土練機と思います。個人が趣味で陶芸を楽しむというニーズに対応したものでしょうか。作家さんや窯元でも、普段使う土以外にも多少は違う土を使いたいとかの場合にも便利のようです。

                   買ってきたものの時間が経って固くなり始めた粘土を黙々と練り直してくれるのを眺めつつ、さあいろいろ作ってみよう(というか、サボる理由がなくなった)と思います。

                   土の枯渇が話題になる昨今です。無駄なく土を使いましょう。

                   

                  | 作る | 16:47 | comments(0) | - |
                  瀬戸だより624号「ガラスの魅力」という話
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                     6月です。

                     瀬戸市新世紀工芸館で開催中の企画展「井上剛 谷口嘉 集散する光」を見てきました。この企画展はガラスの展示で、すでに3月31日から始まっていたのですが、なかなか見に行けず、展示期間の後半になってしまいました(6月17日まで)。

                     

                    ■井上剛 谷口嘉 集散する光(瀬戸市新世紀工芸館)

                    http://www.seto-cul.jp/information/index.php?s=1519896052

                     

                     二人のガラス作家による作品が並びます。井上さん、谷口さんとも展示資料の略歴を見る限り特に瀬戸とは関わりのない作家さんの様です。

                     井上さんの作品は1階展示室の比較的小さな作品や大きな輪のオブジェ、ゲートのような作品まで、「鋳造」によって製作されています。展示ケースの中の作品はガラスのブロックの組み合わせ(様々な形もある)がケース下から照らされています。その透過してくる光によって表面のテクスチャーやガラスの中に封じられた気泡などが見ることができます。

                     谷口さんの作品は壁に何かの標本のようにピン(釘)でガラス片や三角柱のプリズムのようなガラスが無数に(浮かぶように)留められています。展示照明によりそのガラスやピンの影が壁に映し出されています。

                     二人の作品は展示のタイトルの示すように「集散する光」がテーマです。

                     

                     普段私たちは陶磁器の器を扱う仕事をしています。陶磁器の表面の輝きやざらつき、触れた時の感覚には慣れ親しんでおり、ある程度は敏感になっているのですが、ガラスという素材の持つ「透過する」という特性を今回の展示で再確認したような気がします。透過という特性はガラスの描き出す(ほかの素材にはない独特な)「影」の美しさとして現れます。光と影の紡ぎだす素材の魅力でしょう。

                     残念に感じたのは展示室内に用意される光は展示ライトの画一された光であり、例えば一日の中で様々な変化を見せる窓からの光など、様々な質と強弱を伴った光を浴びることにより変化を想像するしかないこと。たとえ小さな作品であっても窓際に置かれたガラス作品は(ガラスのコップに注いだ水の影ですら)時間、季節によってより多くの魅力を放ってくれる……ガラスの魅力を感じてきました。

                    | 展示感想 | 17:48 | comments(0) | - |
                    瀬戸だより623号「箱の話2〜真田紐」という話
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                       名古屋城のやきものワールド。今週末までですね。まだ行けていませんが、にぎわっているようです。

                       

                      ■やきものワールド

                      http://yakimonoworld.jp/index.html

                       

                       少し前の「瀬戸だより」で木箱の話をしました。最近では桐箱(輸入材)が主になってます。抹茶茶碗などはそこに紐が掛けられることもあります。真田紐です。

                       

                       真田紐はいくつもの色の糸を織ることによって作られる平らな紐です。糸の織り方によって作られる様々な文様が美しい紐です。古くは刀の下げ緒や鎧兜の紐、着物の帯留などにも使われています。高級で丈夫なんですね。

                       関ヶ原の戦いに敗れた真田昌幸・信繁父子が蟄居していた九度山で作り広めていったという逸話が名前の由来のようです。

                       

                       真田紐は素材は木綿と絹があり、一重に織ったもの(平紐)から袋状に織られている袋紐に大きく分かれます。陶器の木箱の紐としては通常は木綿が多く使われています。幅も様々ありますが、抹茶茶碗なら4分、ぐい呑みなら3分くらいが合うように思います。

                       当店の抹茶茶碗などには木綿の平紐を通常使っています。色合いや模様は作家さんが選んだものが木箱とともに納品されればそのままの真田紐ですが、作家さんから特に指定がない場合などは作家さんの作風やその器に合わせた色や模様を選ぶようにしています。そのため、綿の平紐はいくつもの種類を用意するようにしています。

                       時折、木箱のみの注文もいただくのですが(自作の茶碗用や箱を紛失したコレクション用などに)、その際も好みの紐を選んでいただいています。

                       

                       最近はカメラのストラップやアクセサリーにこの真田紐を使うこともあるようです。私も趣味のカメラ用に真田紐を使ってみたことがあります。通常の平紐より厚みがある袋紐の方がその用途には合っているように思いました。

                      | 選ぶ・使う | 11:40 | comments(0) | - |
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