瀬戸だより562号「持ち心地について考える」という話

  • 2017.03.25 Saturday
  • 22:57

 

 器を選ぶ時に「持ち心地」というのは大切な要素だと思うます。

日本食の文化は器を持つ文化です。茶碗、湯呑みはもちろん小皿小鉢など手に持って食を楽しみます。見た目だけじゃなく、バランスや肌触りなど触らないとわからない部分が大切です。

 

 先日、この持ち心地という点で気になるものを見つけました。

 綾鷹。ペットボトルのお茶です。コカ・コーラから出ている、茶葉などにもこだわりを持ったお茶ということです。これが最近、ボトルのデザインを新しくしました。

 「器の手ざわりまで味わえるように仕立てました。」ということで、和食器、湯呑みを意識した形に最近変わったようです。

 

 コンビニで手に取ってもらうと(ホームページで見ていただくと)わかりますが、ボトルの形はロクロの指跡のような凸凹が不規則な螺旋になっています。ラベルもよく見ると、細かな貫入や釉の流れのようなデザインがされています。

 まあ、素材はペットボトルなんで持てばペコペコはしています。つるつるもしています。あきらかに陶器の器とは違うのですが(当たり前)、一般的な陶器の器としてどのようなものがイメージされているかと思うと、これはこれで興味深くありませんか?

 このイメージで湯呑を探してみようか、作ってみたら面白いかなと思ってしまいました。

 

 最初にお茶のペットボトルを見た時は(昭和の話だね)、何か抵抗がありました。誰が買うんだろうという気もありましたが、今は普通に日々買ってしまうものになっています。ペットボトルのお茶も持ち心地まで考える時代になったかと思うと、不思議な気になりますね。

瀬戸だより546号「瀬戸市のマンホールカード」という話

  • 2016.12.03 Saturday
  • 15:51

 12月に入って、忙しい日々が続いています。ありがたいことです。

 

 先週もお知らせした「B−1グランプリスペシャル in 東京・臨海副都心」が今日明日開催されています。瀬戸焼そばアカデミーの皆さんの奮闘が気になります。会場に行かれる方、お近くの方、ぜひ瀬戸焼そばの独特の風味をお楽しみください。瀬戸の街の雰囲気など、招き猫ともどもお楽しみください!!

 

 さて、世の中にはいろいろな趣味というのがあるようです。知らない趣味の世界というのを垣間見るのも楽しいものです。

 

 あまり今まで知らなかったのですが、マンホールのマニアという方たちがかなり多くいらっしゃるようです。道路にある、下水道などのマンホールです。

 以前、お仕事でお世話になったマンホールの蓋を作っている会社の方から「マンホールと言うものは規格はあるけど、既製品はない」という話をうかがったことがあります。工業製品として細かな規格は定まっているが、表面のデザインは各自治体や管理する会社ごとでオリジナルのデザインを施しているのでほぼ全てがオーダーメードということでした。

 確かに、気を付けて見ていると市町村ごとにそれぞれの特徴をデザインしたものになっているんですね。中にはかなり凝ったデザインやカラーになったものもありますね。

 それを見つけては写真に撮ったり、それを目的に旅に出るという趣味の楽しみもあるようです。

 ちょっと前にダムカードというのが話題になりました。全国のダムを訪ねていくとそれぞれのダムの写真や解説が載ったカードが用意されていて、実際に訪ね集めるというマニアの方たちが多くいるということでした。そのマンホール版というものがあるようです…マンホールカード。

 自治体によってはその自治体のマンホールをカード化して配布しているようです。まだ発行している自治体は少数のようですが、マンホールマニアの方はこれをコレクションされている人も多いようです。

 

■マンホールカード

http://www.gk-p.jp/mhcard.html

 

 12月1日から瀬戸市もこのマンホールカードの発行・配布をスタートしました。

 載せられてい画像は瀬戸市内では普通に見かける下水のマンホール……中心に市章(土という感じを壺形にデザインしたもの)に下水道の「下」を組み合わせたマーク、周辺にはデザイン化された市の木「クロガネモチ」と市の花「ツバキ」を配したマンホールです。

 

 発行枚数は限られています。マンホールマニア、マンホールカードコレクターの方、尾張瀬戸駅前のパルティせと1階の観光案内所で配布されています(当初の配布場所から変更になっています!ご注意ください!)。多くの方に配布するため、一人一枚厳守となっています!

 

■瀬戸市の「マンホールカード」の配布をはじめます!(瀬戸市)

http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2016111500054/

 

瀬戸だより538号「陶神オリバーの映画」という話

  • 2016.10.08 Saturday
  • 14:07

 

 オリバーです。「陶神オリバー」。ご存知ですか?

 瀬戸にお住いの方ならどこかで聞いたことある、見たことあるという方も多いのじゃないでしょうか。

 

 市民団体「ご当地ヒーローでまちおこしの会」が生み出した瀬戸のヒーロー、それが「陶神オリバー」です。オリバーのデザインの募集から始まり、ヒーローショーの運営まで、すべてこの市民団体が行っています。瀬戸市内のイベントやお祭りなどでオリバーショーは行われていて、着実にこの街のヒーローとして根付いているように思います。

 市民団体のショーと聞くとなかなか想像がつかない方もいらっしゃると思いますが、キャラクターの作り込みから衣装などは本格的なもの。その迫力あるアクションやしっかりしたシナリオなど、どれだけ普段からトレーニングや練習をされているのかが伝わってきます。

 

 その「陶神オリバー」が映画となりました。

 今月10日、その完成披露試写会が瀬戸蔵で行われます。

 

■愛知県瀬戸市のご当地ヒーロー 陶神オリバー

http://www.tosin-oliver.jp/

 

 このファーストムービー、19分というショートムービーですが全編瀬戸市内でロケを行い、瀬戸の歴史にちなんだ場所が次々に登場するようです(オリバーのストーリーにもこの瀬戸の歴史が絡んでいますよ)。瀬戸市内在住の子どもたちもエキストラとして登場します。

 普段のショーでも迫力ある戦闘シーンが見られますが、これが映像になったらどんなものになるのか…楽しみです。

 

 試写会後はインターネットの動画サイトでこのファーストムービーは公開されるようですので、試写会に来られない方も遠くにお住まいの方にも楽しんでいただけるということです。

 

 代表の尾形さんに今後の活動の展開などお聞きしました(独自取材だ!)が、「今回の映画が一段落しないと次のことは考えられない」ということでした。ファーストムービーならセカンド、サードと期待してしまいますね。また、さらに活動の幅も広がっていくのでしょうか。とにかく楽しみですし、さらに想像を超えた活動を続けてくれることは間違いないと思います。

 

 がんばれ、オリバー!

 瀬戸の街を守るために!!

 瀬戸の街を盛り上げるために!!

瀬戸だより537号「リニア残土のニュース」という話

  • 2016.10.01 Saturday
  • 14:12
リニアじゃない夜の瀬戸電

 

 せともの祭から招き猫まつりとイベントが続いた瀬戸の9月も終わり、今週は一息ついています。小学校の運動会も今週というところが多く、私も地元の小学校の運動会に午前中出掛けてきました。前日までは雨でしたが、なんとか今日は運動会が出来たようです。

 

 

 最近のニュースにこんなものがありました。

 

■「リニア残土、瀬戸の窯業団体が受け入れ」(中日新聞)

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016092102000080.html

 

■リニア残土、瀬戸市が一部受け入れ 鉱山埋め戻し利用へ(朝日新聞)

http://www.asahi.com/articles/ASJ9P3VPSJ9POIPE00K.html

 

 

 リニア中央新幹線の工事で出る残土、具体的には春日井市内の「坂下非常口」(立て坑)の新設工事で発生する残土を戦前から採掘を続けてきた通称・瀬戸のグランドキャニオンの埋め戻しに使うという話です。

 瀬戸のグランドキャニオンとは、長年珪砂や粘土の露天掘りをしてきた結果、荒涼とした独特な景色が広がり、それがグランドキャニオンに似ていることからそう呼ばれています。

 瀬戸を紹介する記事やパンフレットなどではよく見かける風景ですが、鉱山ですので一般に公開されることもなく、実際にそこに行って見たことがあるという人は瀬戸でも多くない場所です(私もない)。

 掘った限りは最後は埋め戻さなくてはいけない、と言うわけで受け入れる側もメリットがあるようです。

 

 大きな工事から出る大量の残土。運び込むだけでもたいへんなことです。交通渋滞などを考えても、また様々な理由からも賛成反対も別れるところでしょう。

 

 今回は戦前から珪砂(ガラスの原料)や陶土を掘り続けた結果大きな穴をあけて、そこを埋める。

 幕末からは陶器の生産量が増加したことに伴い、明治には瀬戸周辺の山はハゲ山だらけになり、ホフマン工法で山を再生する。

 さらに昔、窖窯の時代には山の傾斜に沿って窯を作り、周辺の原料・燃料が尽きれば移動、古い窯場は自然に戻っていく。

 瀬戸の歴史というのは振り返れば、陶器作りのため自然や地形を傷付け、その後それを再生していくという繰り返しのように感じます。今回の埋め戻しはその残土のみでは埋めきれない大きさの「穴」のようです。どのような「再生」になるかはもっともっと先の未来になると思います。

 

 賛成反対はあると思う、と書きましたが、個人的には「春日井の土」で埋めることになるなら、よくわからない「産業廃棄物」を持ち込んで埋めるよりはずっといいとは思っています。

 「グランドキャニオン」の風景が失われるのは寂しい部分もありますが、まあ現状危険もともなう場所ですし、公開されることもなく(観光資源にもなりそうですがね)そのままなら埋め戻しもしょうがないんでしょう。

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